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北海道大学 1999年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

次の命題の真偽を述べ,その理由を説明せよ.
ただし,2356が無理数であることを用いてもよい.

(1) 2+3は無理数である.
(2) xが実数であるとき,x2+xが有理数ならば,xは有理数である.
(3) xyがともに無理数ならば,x+yx2+y2のうち少なくとも一方は無理数である.

難易度4/ 10計算量2/ 10目安15

数と式論証・証明 背理法、反例構成、場合分け

方針

各命題について、真なら背理法で有理数と仮定して既知の無理数性に矛盾させ、偽なら条件を満たす具体例を1つ示す。特に(2)は2次方程式 x2+x=1 の無理数解、(3)は和と二乗和がどちらも有理数になる対称な無理数の組を探すとよい。真偽だけでなく、反例が本当に前提を満たしていることまで確認する。

解答

(1)
この命題は真である。

背理法で示す。2+3 が有理数であると仮定し、これを r とおく。すると r2=(2+3)2=5+26 である。r が有理数なら r2 も有理数であるから、26=r25 も有理数となる。したがって 6 が有理数となるが、これは問題文で用いてよいとされている 6 の無理数性に反する。よって 2+3 は無理数である。

(2)
この命題は偽である。

反例として x=1+52 をとる。この x は、もし有理数なら 5=2x+1 も有理数になってしまうので、無理数である。一方で x2+x=1 が成り立つ。実際、x は方程式 X2+X1=0 の解である。したがって、x2+x が有理数であっても x が有理数とは限らない。

(3)
この命題は偽である。

反例として x=2,y=2 をとる。xy はともに無理数である。しかし x+y=22=0 であり、これは有理数である。また x2+y2=(2)2+(2)2=2+2=4 も有理数である。したがって、x+yx2+y2 のうち少なくとも一方が無理数であるとはいえない。

別解

解法2

方針

各命題の構造を見る。(1)では共役な式との積、(2)(3)では反例を生む一般的な作り方を示す。

解答

(1)

真である。2+3=r が有理数だと仮定する。正数なので r0 であり、(3+2)(32)=1より 32=1/r も有理数となる。2式を加えれば23=r+1rが有理数となり、3 の無理数性に反する。

(2)

偽である。より一般に、有理数 q に対してx2+x=qの解はx=1±1+4q2である。1+4q が有理数の平方でないように q を選べば x は無理数になる。例えば q=1 とすればx=1+52は無理数だが x2+x=1 は有理数である。

(3)

偽である。正の有理数 qq が無理数となるものを選び、x=q,y=qとすればよい。実際、x,y はともに無理数だがx+y=0,x2+y2=2qはいずれも有理数である。特に q=2 が反例を与える。

総評

難度4、計算量2、目安15分。真の命題は背理法、偽の命題は条件を満たす具体的反例で決着させる。反例が無理数であることと、結論側が有理数であることを両方明記する。

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出典: 北海道大学 1999年度 前期 文系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。