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北海道大学 1997年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

実数xに対して,x以下の整数のうちで最大のものを[x]と書くことにする.
c>1として,an=[nc]c (n=1,2,)とおく.
以下の(1),(2),(3)を証明せよ.

(1) すべてのnに対して,[an]nまたはn1に等しい.

(2) cが有理数のときは,[an]=nとなるnが存在する.

(3) cが無理数のときは,すべてのnに対して[an]=n1となる.

難易度5/ 10計算量3/ 10目安20

数と式整数論証・証明 範囲評価、場合分け、必要十分条件

方針

床関数の基本不等式 [nc]nc<[nc]+1 を使い、[nc]/cn の直前から n までの範囲に入れる。有理数の場合は、分母を掛けることで nc が整数になる n を作る。無理数の場合は、任意の自然数 nnc が整数にならないため、上端 an=n が起こらないことを示す。

解答

(1)

床関数の定義より [nc]nc<[nc]+1 である。これを nc1<[nc]nc と書き直す。c>1 なので、正の数 c で割って n1c<[nc]cn を得る。すなわち n1c<ann である。c>1 より 0<1/c<1 だから n1<ann である。したがって [an]n1またはn に等しい。

(2) c が有理数であるとする。c=r/s と既約分数で表す。ただし r,s は正の整数である。n=s と取ると nc=srs=r は整数である。したがって [nc]=nc であり、an=[nc]c=ncc=n となる。よって [an]=n となる n が存在する。

(3) c が無理数であるとする。任意の自然数 n について、もし nc が整数なら c=ncn は有理数になってしまう。これは仮定に反する。したがって nc は整数ではない。

よって [nc]<nc であるから an=[nc]c<n である。一方、(1)の途中で得た不等式より n1<an である。したがって n1<an<n となるので [an]=n1 である。

別解

解法2

方針

小数部分 {nc}=nc[nc] を導入すると an=n{nc}/c と一行で表せる。有理数なら小数部分を0にでき、無理数なら0にならない、という同じ式から3問を統一的に示す。

解答

{x}=x[x](0{x}<1)と書く。このときan=[nc]c=nc{nc}c=n{nc}c.(1)

0{nc}<1 かつ c>1 なのでn1<ann.よって [an]n1 または n である。

(2)

c=r/s を既約分数とする。n=s とすれば nc=r は整数だから {nc}=0。したがって an=n で、[an]=n となる。

(3)

c が無理数なら、自然数 n に対して nc は整数にならない。ゆえに0<{nc}<1であり、n1<an<n.したがってすべての n[an]=n1 である。

総評

床関数と有理・無理の違いを扱う論証問題で、想定時間は20分程度。中心は n1<ann という狭い範囲に押し込むことである。有理数の場合は nc が整数になる n を作る、無理数の場合は nc が絶対に整数にならない、という対比を答案上ではっきり書くとよい。

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出典: 北海道大学 1997年度 前期 理系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。