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北海道大学 2002年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

微分可能な関数 f(x) について,次の問いに答えよ.

(1) n を自然数とする.1x11xf(t)dt=xn(x1)を満たす関数 f(x) を求めよ.

(2) 任意の実数 x,a に対して1xaaxf(t)dt=12{f(x)+f(a)}(xa)を満たし,かつ f(0)=1, f(0)=2 を満たす関数 f(x) を求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

積分微分関数 定積分評価微分による最大最小、同値変形

方針

(1) は両辺に x1 を掛け、積分上端の微分で f(x) を取り出す。(2)は区間平均が端点値の平均に等しいという条件を、原始関数を用いて式にし、xa の両方で微分する。任意の2点で割線の傾きが端点の微分係数に一致することから、f が一定、すなわち f が一次関数であることを示す。

解答

(1)
与えられた等式は x11x11xf(t)dt=xn である。両辺に x1 を掛けると 1xf(t)dt=(x1)xn となる。両辺を x で微分すると、左辺は積分の上端の微分により f(x) であるから f(x)=xn+n(x1)xn1 を得る。整理して f(x)=(n+1)xnnxn1 である。

この関数は多項式なので微分可能であり、実際に 1x{(n+1)tnntn1}dt=xn+1xn=(x1)xn を満たす。したがって条件を満たす関数はこれである。

(2) f の原始関数を F とする。条件は、任意の xa について F(x)F(a)xa=12{f(x)+f(a)} である。両辺に 2(xa) を掛けると 2{F(x)F(a)}=(xa){f(x)+f(a)} である。

まず a を固定して x で微分すると 2f(x)=f(x)+f(a)+(xa)f(x) より f(x)f(a)=(xa)f(x) を得る。次に x を固定して a で微分すると 2f(a)={f(x)+f(a)}+(xa)f(a) であるから f(x)f(a)=(xa)f(a) である。

したがって、任意の xa について f(x)=f(x)f(a)xa=f(a) となる。つまり、異なる2点での微分係数がいつも等しいので、f(x) は定数である。よって f は一次関数である。 f(0)=1f(0)=2 より、その一次関数は f(x)=2x+1 である。

区間平均と端点平均

別解

解法2

方針

(1) は右辺を積分の原始関数として微分する。(2)は条件を a=0 に限定して得られる微分方程式を、正の半直線・負の半直線で解き、原点での微分可能性が左右の定数を一致させることを示す。

解答

(1)

与式を1xf(t)dt=(x1)xnと直し、x1 で微分するとf(x)=xn+n(x1)xn1=(n+1)xnnxn1.右辺は多項式なので x=1 にも連続に拡張される。実際に積分すれば1x{(n+1)tnntn1}dt=(x1)xnとなるため、求める関数はf(x)=(n+1)xnnxn1である。

(2)

条件はすべての a で成り立つので、特に a=0 としてよい。f(0)=1 を使うと20xf(t)dt=x{f(x)+1}.x0 で微分して2f(x)=f(x)+1+xf(x),xf(x)=f(x)1を得る。u(x)=f(x)1 と置けば xu(x)=u(x) である。したがって正負それぞれの半直線でf(x)=1+C+x(x>0),f(x)=1+Cx(x<0)となる。

f は原点で微分可能で f(0)=2 だから C+=C=2 である。よって全実数でf(x)=2x+1.この一次関数を元の等式へ代入すると両辺はいずれも x+a+1 となり、条件を満たす。

総評

難度6、計算量5。目安時間は20〜26分。(1)は積分等式を微分した後、得た多項式を元の積分へ戻して十分性を確認する。(2)は任意の2点に対する条件が一次関数を特徴づける問題である。a=0 だけを使う別解では、正負の半直線で別定数が生じ得るため、原点での微分可能性を使って左右を接続する必要がある。

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出典: 北海道大学 2002年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。