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北海道大学 2003年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

xy平面上の曲線C:y=12(ex+ex)の上を運動する点Pを考える.
その速度は大きさが1でx成分は正とする.
QPにおけるCの法線上にありPQ=1
領域y>12(ex+ex)に属しているものとする.

(1)Pの座標を(u,eu+eu2)とするとき,
Qの座標を求めよ.

(2) 動点Qの速度の大きさのとり得る範囲を求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

微分指数・対数図形と方程式 接線・法線、範囲評価、微分による最大最小

方針

曲線は y=(ex+ex)/2 で、接線の傾きは (eueu)/2 である。接線方向ベクトルの長さが (eu+eu)/2 になることを使い、上側を向く単位法線ベクトルを作って点 Q を求める。(2)では P の速度の大きさが1で x 成分が正であることから du/dt=2/(eu+eu) を得る。あとは Q の座標を u で微分し、A=eueu, B=eu+eu, B2A2=4 で速度を整理する。

解答

(1)

曲線 Cy=ex+ex2 とおく。点 Px 座標が u のとき、P=(u,eu+eu2) である。

導関数は dydx=exex2 だから、点 P における接線方向ベクトルとして (1,eueu2) が取れる。この長さは 1+(eueu2)2=eu+eu2 である。実際、(eu+eu)2(eueu)2=4 を用いればよい。

接線方向 (1,m) に垂直な方向は (m,1) である。上側を向く単位法線ベクトルは (eueueu+eu,2eu+eu) である。点 QP からこの向きに距離1だけ進んだ点なので、Q=(ueueueu+eu,eu+eu2+2eu+eu)である。

(2)

P の速度の大きさは1で、x 成分は正である。u を時刻の関数と見ると、点 P の速度の大きさはdudt1+(eueu2)2=dudteu+eu2である。これが1に等しいから dudt=2eu+eu である。

ここで A=eueu,B=eu+eu とおく。このとき A=B,B=A,B2A2=4 であり、(1)の QQ=(uAB,B2+2B) と書ける。 u で微分すると、Q の第1成分についてddu(uAB)=1ABABB2=1B2A2B2=14B2=A2B2である。また第2成分についてddu(B2+2B)=A22AB2=A(B24)2B2=A32B2である。

したがって、u を変数としたときの Q の速さは(A2B2)2+(A32B2)2=A2B21+A24=A2B2B2=A22B.ここで B>0 を用いた。

時刻に関する Q の速度の大きさは、これに du/dt=2/B を掛けたものなのでA22B2B=A2B2=(eueueu+eu)2である。

この値は u=0 で0をとる。また任意の実数 u について eueu<eu+eu であるから、速度の大きさは1より小さい。さらに u を大きくすると、この比の絶対値は1に近づく。したがって、速度の大きさのとり得る範囲は 0v<1 である。

曲線の上側単位法線

別解

解法2

方針

s=(eueu)/(eu+eu)c=2/(eu+eu) と置くと s2+c2=1 である。点 Q の座標と du/dts,c で書き、ds/du=c2, dc/du=sc を使って速度を短く計算する。

解答

s=eueueu+eu,c=2eu+euと置くと s2+c2=1 である。

(1)
上向き単位法線は (s,c) だからQ=(us, c1+c).(2)
P の速さが1で x 成分が正であることからdudt=c.またdsdu=c2,dcdu=sc.よって Q=(X,Y) とするとdXdt=c(1c2)=cs2,dYdt=cddu(c1+c)=s3.したがって Q の速さはc2s4+s6=s2c2+s2=s2.s1<s<1 のすべての値をとるので、求める範囲は0s2<1である。

総評

難度7、計算量6。目安時間は24〜30分。法線方向を単位ベクトルとして正確に作り、さらに点 P の速度条件を du/dt に変換する必要がある。指数式は A=eueu, B=eu+eu と置くと、B2A2=4 により大きく簡単になる。Q は上側の法線方向にあるため、法線ベクトルの符号を間違えると(1)から崩れる。(2)の範囲では1は到達せず、極限的に近づくだけである点を明記したい。

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出典: 北海道大学 2003年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。