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北海道大学 2003年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

実数aに対して,a1=a,an+1=ran(1an)(n=1,2,3,)で定まる数列a1,a2,,an,を考える.
ただし0<r<1とする.

(1) a1=a2==an=となる初項の値が2つあることを示し,
その値pq (p<q)を求めよ.

(2) ap<a<qを満たすとき,an<an+1(n=1,2,3,)を示せ.

(3) (2)と同じ条件のもとでlimnan=0を示せ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

数列関数 漸化式の変形、範囲評価、極限計算

方針

まず一定列になる初項は固定点方程式 x=rx(1x) で求める。0<r<1 なので固定点は (r1)/r と0であり、これが p<q になる。(2)では区間 (p,0) が漸化式で保たれることと、差 an+1an=an{(r1)ran} の符号を調べる。an<0(r1)ran<0 の積が正になるのが単調増加の理由である。(3)は単調増加かつ上に有界なので極限を持ち、その極限が固定点方程式を満たすことから0を選ぶ。

解答

(1)

すべての項が等しくなる初項を x とする。このとき x=rx(1x) を満たす必要がある。整理すると x{r(1x)1}=0 である。したがって x=0 または r(1x)1=0 である。後者から x=r1r を得る。 0<r<1 より r1<0 であるから r1r<0 である。よって、p<q となるように並べると p=r1r,q=0 である。

(2)

まず、p<an<0 であると仮定して、次の項もこの区間にあり、かつ an<an+1 となることを示す。 an<0 であるから 1an>1>0 である。したがって an+1=ran(1an)<0 である。

またan+1an=ran(1an)an=an{r(1an)1}=an{(r1)ran}.ここで p=r1r<an だから、両辺に正の数 r を掛けて rp=r1<ran である。よって (r1)ran<0 である。一方 an<0 なので、an{(r1)ran}>0 となる。したがって an+1an>0 すなわち an<an+1 である。

さらに an>p かつ an+1>an なので p<an+1<0 も成り立つ。初項 a=a1p<a1<0 を満たすから、数学的帰納法によりすべての自然数 n について an<an+1 が成り立つ。

(3)

(2) より、{an} は単調増加である。またすべての nan<0 であるから、上に有界である。したがって {an} は極限をもつ。その極限を L とする。

漸化式 an+1=ran(1an) の両辺で n とすると L=rL(1L) である。よって L は(1)で求めた固定点のどちらかであり、L=0またはL=r1r=p である。

しかし、初項が p<a1<0 であり、さらに {an} は単調増加だから La1>p である。したがって L=p はありえない。残る可能性は L=0 である。ゆえにlimnan=0が示された。

固定点間の単調増加

別解

解法2

方針

負の数列 bn=an に変換する。初項条件は 0<b1<(1r)/r となり、bn+1=rbn(1+bn)。一定の 0<λ=r(1+b1)<1 を用いて 0<bn+1<λbn と評価すれば、単調性と0への収束を同時に示せる。

解答

(1)
固定点方程式x=rx(1x)よりp=r1r,q=0.(2)
bn=an と置く。p<a1<00<b1<1rrと同値である。またbn+1=rbn(1+bn).λ=r(1+b1)と置けば、初項条件より 0<λ<1 である。

まず 0<bn+1<bn を帰納的に示す。0<bnb1 なら0<bn+1=r(1+bn)bnλbn<bn.よってすべての nbn+1<bn、すなわちan<an+1である。

(3)
さらに同じ評価を繰り返すと0<bnλn1b1.0<λ<1 だから右辺は0へ収束する。したがってlimnan=limnbn=0.

総評

難度6、計算量5。目安時間は18〜23分。固定点を求めてから、その間の区間 (p,0) が保たれることを示すタイプの漸化式問題である。p=(r1)/r は負、q=0 であるため、符号の扱いを誤ると単調性が逆になる。(2)では (r1)ran<0an<0 の積が正になることを丁寧に書きたい。(3)は有界単調性で極限を置き、固定点方程式に戻すのが標準的である。

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出典: 北海道大学 2003年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。