方針
まず行列方程式を と変形し,逆行列の存在と形を押さえる。次に成分計算または2次行列の恒等式から,対角成分の和 と行列式 を決める。最後は指定された逆行列の形と を比較し, で符号を確定する。
解答
(1)
与式を変形するとである。したがって は の逆行列であり、となる。
(2) であるから、 の非対角成分よりもし なら、対角成分から が必要になるが、この2次方程式は実数解をもたない。よって の少なくとも一方は0でなく、である。
一方、左上成分から を用いるとしたがって(3)
(1)よりこれを問題のと比較するとさらに より であるからよって
総評
難度は10段階中6、計算量は10段階中5。試験場での目安は22分で、位置づけは標準的な完答対象である。主な採点点は、逆行列を直接構成し、成分比較で跡と を決めること。注意点は、実数成分であるため が不可能になる点を使うこと。
補足。この問題の中心は, を単なる成分計算ではなく逆行列の情報として読むことである。 が出ると,(3) の転置に似た条件は成分比較だけで大きく絞れる。最後に を忘れず使うことで,回転行列型の具体的な行列に到達する。