Evolton

北海道大学 2008年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

関数f(x)f(x)=3x22x2+1とする.

(1) 0<x<1ならば,0<f(x)<1となることを示せ.

(2) f(x)x=0となるxをすべて求めよ.

(3) 0<α<1とし,数列{an}a1=αan+1=f(an) (n=1,2,)とする.
αの値に応じて,limnanを求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安20

関数数列 不等式評価漸化式の変形極限計算

方針

まず f が区間 (0,1) を自分自身に移すことを示し,数列が区間外に出ないようにする。次に固定点を f(x)=x から求め,f(x)x の符号を x=1/2 を境に調べる。0<α<1/2 では単調減少かつ下に有界,1/2<α<1 では単調増加かつ上に有界となるので,収束後の極限を固定点の中から選ぶ。

解答

(1) 0<x<1 とする。分母 2x2+1 は正であり,分子 3x2 も正であるから f(x)>0 である。

また f(x)<13x22x2+1<1 と同値である。分母は正なので両辺に 2x2+1 を掛けて 3x2<2x2+1 すなわち x2<1 を得る。これは 0<x<1 で成り立つ。したがって 0<f(x)<1 である。

(2) f(x)x=03x22x2+1x=0 である。分母を払うと 3x2x(2x2+1)=0 すなわち x(2x2+3x1)=0 である。よって x(2x23x+1)=0 となり,因数分解して x(2x1)(x1)=0 を得る。したがって解は x=0,x=12,x=1 である。

(3)
(1)より,0<an<1 ならば 0<an+1<1 である。初期値 0<α<1 から出発するので,すべての n について 0<an<1 である。

また f(x)x=3x22x2+1x=x(1x)(2x1)2x2+1 である。0<x<1 では分母と x(1x) は正なので,符号は 2x1 で決まる。

まず 0<α<1/2 とする。このとき a1<1/2 であり,もし 0<an<1/2 ならば f(an)an<0 だから 0<an+1<an<12 である。よって {an} は単調減少で下に有界なので収束する。その極限を L とすると,f は連続であるから L=f(L) である。さらに 0L<1/2 だから,(2)の固定点のうち該当するものは 0 だけである。したがって limnan=0 である。

次に α=1/2 のときは,(2)より f(1/2)=1/2 であるから an=12(n=1,2,3,) であり,極限は 12 である。

最後に 1/2<α<1 とする。このとき,1/2<an<1 ならば f(an)an>0 だから 12<an<an+1<1 である。よって {an} は単調増加で上に有界なので収束する。極限を L とすると L=f(L) であり,さらに 1/2<L1 であるから,(2)の固定点のうち該当するものは 1 だけである。したがって limnan=1 である。

以上をまとめるとlimnan={0(0<α<12),12(α=12),1(12<α<1).である。

総評

難度は10段階中5、計算量は10段階中4。試験場での目安は20分で、固定点と単調性を組み合わせる典型問題である。採点点は、(0,1) が保たれること、固定点が 0,1/2,1 であること、f(x)x の符号で単調性を分類することの3点である。0<α<1/21/2<α<1 で単調性が逆になるため、符号表を書いてから極限を選ぶとミスが少ない。極限を先に予想するだけでなく、単調有界性で収束を保証する一文を入れると答案として強くなる。

冊子PDFで見る北大の関数の問題で問題集を作る

出典: 北海道大学 2008年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。