方針
係数が実数であることから,複素数の根は共役な根と対で現れる。したがって γ=1+3i が根なら 1−3i も根であり,対応する2次因子は x2−2x+4 である。この因子で割り切れるように残りの2次因子を x2+mx+n とおき,定数項と1次の係数から m,n を定める。最後に残りの2次方程式を解いて,γ 以外の根をすべて列挙する。
解答
(1)
P(x)は実数係数の多項式である。したがって,γ=1+3iが根なら,その共役複素数 γ=1−3i も根である。よって(x−γ)(x−γ)=x2−(γ+γ)x+γγ=x2−2x+4でP(x)は割り切れる。
そこで P(x)=(x2−2x+4)(x2+mx+n) とおく。右辺を展開するとP(x)=x4+(m−2)x3+(n−2m+4)x2+(−2n+4m)x+4nである。定数項を比較して 4n=16 より n=4 である。また,xの係数を比較して −2n+4m=−8(3+1) である。n=4を代入すると −8+4m=−83−8 だから m=−23 である。したがって a=m−2=−23−2=−2(3+1) であり,b=n−2m+4=4+43+4=8+43 である。よって a=−2(3+1),b=8+43 である。
(2)
(1) のとき P(x)=(x2−2x+4)(x2−23x+4) である。第一の因子の根は x=1±3i であり,このうち1+3iがγである。第二の因子について x2−23x+4=0 を解くと x=223±12−16=3±i である。したがって,γ以外の解は 1−3i,3+i,3−i である。
別解
解法2((1))
方針
与えられた根 γ の2乗、3乗、4乗を直接計算し、P(γ)=0 の実部と虚部を比較して a,b を決める。係数決定後は実係数多項式の共役根を使って2次因子を取り出し、残る根を求める。
解答
(1) の別解
γ=1+3iについて γ2=−2+23i,γ3=−8,γ4=−8−83i である。P(γ)=0に代入すると (−8−83i)−8a+b(−2+23i)−8(3+1)(1+3i)+16=0 である。実部と虚部を分けると −8−8a−2b−8(3+1)+16=0, −83+23b−8(3+1)3=0 である。虚部の式から 23b=83+24+83=163+24 より b=8+43 を得る。これを実部の式に代入すると 8a=−8−2b−83+8=−2(8+43)−83 より a=−2−23 となる。以後は同じく因数分解して残りの根を求めればよい。
総評
難度5、計算量4。実係数多項式では共役な複素数も根になるという観察が入口である。係数比較では定数項から先にn=4を確定し,1次の係数でmを決めると計算が短い。答案では,γ以外の根を答える際に,共役根1−3iを落とさないこと,残りの2次因子の根を3±iまで明示することが重要である。目安時間は15分前後。
採点点は、共役根、2次因子、係数比較、残り3根の列挙の4段階である。代入法を使う場合も、実部・虚部を分ける式を省略しない。
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出典: 北海道大学 2009年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。