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北海道大学 2013年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

実数xystに対し,z=x+yiw=s+tiとおいたとき,z=w1w+1をみたすとする。ただし,iは虚数単位である。

(1) wzで表し,stxyで表せ。

(2) 0s1かつ0t1となるような(x,y)の範囲Dを座標平面上に図示せよ。

(3)P(x,y)Dを動いたとき,5x+yの最小値を求めよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安30

複素数平面図形と方程式 実部虚部比較、軌跡、範囲評価

方針

分数式を逆に解いて w=(1+z)/(1z) とし、実部・虚部から s,tx,y で表す。4つの条件 0s,t1 を円の内外と上半平面へ変換して領域を図示する。最小値は元の w 平面の正方形へ戻し、t を固定した1変数関数として s 方向の単調性を示してから、残る辺の端点まで比較する。

解答

(1) 与えられた式を w について解くと、w=1+z1zである。z=x+yi を代入し、分母の共役複素数を掛けると、w=1+x+yi1xyi=(1+x+yi)(1x+yi)(1x)2+y2=1x2y2+2yi(1x)2+y2.実部と虚部を比較して、s=1x2y2(1x)2+y2,t=2y(1x)2+y2.(2) 分母 (1x)2+y2 は、式が定義される範囲では正である。したがって 0s1{x2+y21,(x12)2+y214と同値である。同様に 0t1{y0,(x1)2+(y1)21と同値である。

よって D は、上半円x2+y21,y0のうち、中心 (1/2,0)、半径 1/2 の円の外部、かつ中心 (1,1)、半径1の円の外部にある部分である。

(3) 今度は w=s+ti を用いて z を表す。共役複素数を掛けると、z=s1+tis+1+ti=s2+t21+2ti(s+1)2+t2.したがってx=s2+t21(s+1)2+t2,y=2t(s+1)2+t2,および5x+y=L(s,t)=5s25t2+2t+5(s+1)2+t2.t を固定して s の関数と見れば、ddsL(s,t)=2{5s2+2st+10s5t2+2t+5}{(s+1)2+t2}2.0s,t1 では5t2+2t+52で、括弧内の他の項も非負である。よって導関数は負であり、各 t に対して L(s,t)s とともに減少する。したがって最小値は辺 s=1 上で調べればよい。L(1,t)=5t2+2tt2+4とおくと、ddtL(1,t)=2(t2+20t4)(t2+4)2.区間 0t1 にある停留点t=10+226では導関数が正から負へ変わるので、ここは最大点である。最小値は端点のいずれかでとり、L(1,0)=0,L(1,1)=35.よってminD(5x+y)=35.このとき w=1+i であり、z=i2+i=1+2i5.したがって最小点は(15,25)である。

領域 D は次図の斜線部である。太線は w 平面の正方形 0s,t1 の4辺に対応する。

総評

難度7、計算量6。目安時間は30分。4つの不等式を円の内外へ正しく変換し、境界を含む向きまで図示することが最初の山である。最小値は2変数の式を一度に処理せず、t を固定して s 方向の単調性を示すと安全である。典型ミスは t1 に対応する円の内外を逆にすること、最小点 (1/5,2/5) の復元計算を落とすことである。

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出典: 北海道大学 2013年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。