方針
36通りの出目を等確率として,A が勝つ領域 と B が勝つ領域 に分ける。期待値は二重和で表し,固定する変数を選んで個数を数える。最後は期待値が等しい条件を整数の一次不定方程式として扱う。
解答
(1)
A の出た目を ,B の出た目を とする。36通りはいずれも同様に確からしい。
対角線上の同点は の勝ちに含める。
A が勝つのは,同じ目の場合を含めて のときである。このとき A の得点は である。よって A の得点の期待値はである。 固定した に対して は 通りあるから, したがって である。
次に B の得点を考える。B が勝つのは のときであり,このとき B の得点は である。したがって第1項では を固定すると の 通りがあるから第2項では を固定すると の 通りがあるのでよって である。
(2)
A と B の期待値が等しくなる条件は すなわち である。7で割ると であるから,右辺より は5の倍数でなければならない。 は5と互いに素なので, は5の倍数である。
自然数 のうち最小のものは であり,このとき より である。したがって最小の は であり,そのときの期待値は である。
総評
難度は10段階中5、計算量は10段階中4。試験場での目安は18分で、位置づけは標準的な完答対象である。主な採点点は、勝敗条件ごとに得点の総和を数え、自然数条件で最小の を決めること。注意点は、同点はAの勝ちであることを期待値に反映すること。
補足。勝敗の分け方に同点を含める点が最初の注意点である。A の期待値では同じ が 回現れるので平方和になり,B の期待値では勝つ側の目 と負ける側の目 を別々に集計する。期待値の等式は に落ちるため,最小の自然数 は合同条件から素早く決まる。