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北海道大学 2013年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

2×2行列ABAB=BAをみたすとき,ABは交換可能であるという。

(1) ABが交換可能ならば,ABBは交換可能であることを示せ。

(2) 行列XCEX=(abcd),C=(1230),E=(1001)と定める。ただし,abcdは実数とする。
XCが交換可能のとき,Xは実数αβを用いてαC+βEと表されることを示せ。

(3) 上の行列Cに対して,次の3条件を同時にみたす2×2行列Yをすべて求めよ。

(a) YCは交換可能。

(b) CY=tYをみたす実数tがある。

(c) Y(2,2)成分は1である。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安22

行列 式変形、恒等式比較文字消去

方針

(1) は行列積の結合法則と AB=BA だけで (AB)B=B(AB) を示す。(2)は一般の2次正方行列 X を置いて XC=CX を成分比較し、自由な2係数を C,E の係数として読み替える。(3)では (2,2) 成分から一方の係数を決め、C2=C+6E を用いて C,E の係数比較へ帰着し、得られる2行列を両方書く。

解答

(1) AB=BA とする。このとき (AB)B=A(BB)=AB2 である。一方、B(AB)=(BA)B=(AB)B=AB2 である。したがって (AB)B=B(AB) となり、ABB は交換可能である。

(2) X=(abcd)とおく。C=(1230) であるからXC=(a+3b2ac+3d2c),CX=(a+2cb+2d3a3b)である。 XC=CX より成分を比較すると、3b=2c,2a=b+2d,c+3d=3a を得る。第1式から b=23c であり、第3式から a=13c+d である。よってX=(d+13c23ccd)=c3(1230)+d(1001)である。

したがって X=αC+βE と表せる。ただし α=c/3, β=d である。

(3) YC と交換可能なので、(2) より Y=αC+βE と表せる。Y(2,2) 成分が 1 であり、C(2,2) 成分は 0E(2,2) 成分は 1 だから β=1 である。したがって Y=αC+E である。

ここでC2=(1230)2=(7236)=C+6Eである。条件 CY=tY より C(αC+E)=t(αC+E) である。左辺は αC2+C=α(C+6E)+C=(α+1)C+6αE である。よって (α+1)C+6αE=tαC+tE となる。CE は一次独立なので、係数比較により α+1=tα,6α=t である。これより α+1=6α2 すなわち 6α2α1=0 である。したがって α=12,13 である。

よってY=12C+E=(321321)またはY=13C+E=(232311)である。

総評

難度6、計算量6。目安時間は22分。C と交換可能な行列全体を αC+βE と表す(2)が最大の得点部分である。(3)では (2,2) 成分から β=1 とし、C2=C+6E で係数比較へ落とす。2つの α に対応する2行列を両方書き、条件(b)の実数 t がそれぞれ存在することも係数式から確認する。

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出典: 北海道大学 2013年度 後期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。