方針
焦点 F(1,0) から方向 θ に距離 r だけ進んだ点を楕円へ代入し、正の解を取る。(2)では、同一直線上の2交点までの距離の和を r(θ)+r(θ+π) と表し、垂直方向は θ+π/2 を用いる。最後は u=cos2θ と置き、1/(2−u)+1/(1+u) の最小値を求める。分母の和が一定であることを使うと最小化が短い。
解答
(1)
点 (rcosθ+1,rsinθ) が楕円 E 上にあるので 2(1+rcosθ)2+r2sin2θ=1 である。両辺を2倍して整理すると (2−cos2θ)r2+2rcosθ−1=0 となる。この2次方程式を r について解くとr=2−cos2θ−cosθ±cos2θ+2−cos2θ=2−cos2θ−cosθ±2である。2−cos2θ>0 であり、r>0 だから正の解を取って r=2−cos2θ2−cosθ である。分母は 2−cos2θ=(2−cosθ)(2+cosθ) だから r=2+cosθ1 である。
(2)
直線 PF の方向を θ とする。この直線と楕円の2交点は、焦点 F から見て方向 θ と θ+π にある。したがって(1)よりPF+QF=2+cosθ1+2−cosθ1=2−cos2θ22である。
これに垂直な直線の方向は θ+π/2 と θ+3π/2 である。よってRF+SF=2−sinθ1+2+sinθ1=2−sin2θ22である。u=cos2θ とおくと、0≦u≦1 かつ 2−sin2θ=1+u なので PF+QF+RF+SF=22(2−u1+1+u1) である。
ここで (2−u)+(1+u)=3 である。正の2数 2−u と 1+u の和が一定なので、積は等しいときに最大になる。逆数和 2−u1+1+u1=(2−u)(1+u)3 は、積が最大のときに最小となる。したがって 2−u=1+u,u=21 で最小になる。このとき 2−u1+1+u1=3/22=34 である。よって求める最小値は 22⋅34=382 である。
総評
難度7、計算量6。目安時間は25分。焦点からの極座標表示に持ち込めるかが最大の山である。(1)の r=1/(2+cosθ) が得られれば、(2)は向かい合う2方向と垂直な2方向の距離和に分解できる。採点点は、Q 側を θ+π、R,S 側を θ+π/2 系として扱うこと、u=cos2θ の範囲を 0≦u≦1 と明記すること、最小化で端点も含めて判断することである。別解監査では、最後の一変数最小化を微分へ置き換える案も確認したが、核心となる焦点極座標と距離和の導出が同一なので、独立解法としては数えていない。
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出典: 北海道大学 2015年度 後期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。