Evolton

北海道大学 2015年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

pを3以上の奇数,θcosθ=1p (0<θ<π2)をみたす実数とし,
数列{an}an=pncos(nθ) (n=1,2,3,)で定める。

(1) a2pで表せ。

(2) an+2an+1anpで表せ。

(3) すべてのnについてanpで割り切れない整数であることを示せ。

難易度6/ 10計算量4/ 10目安18

三角関数数列整数 漸化式の変形、合同式、数学的帰納法

方針

(1) は二倍角公式を使う。(2)は加法定理から cos(n+2)θ=2cosθcos(n+1)θcosnθ を作り、両辺に pn+2 を掛けて an の漸化式にする。(3)はこの漸化式によって整数性を帰納し、さらに p で割った余りが 2n1 に一致することを帰納的に示す。p が奇数なので 2p は互いに素である。

解答

(1)

cosθ=1/p であるから、二倍角公式より cos2θ=2cos2θ1=2p21 である。したがって a2=p2cos2θ=p2(2p21)=2p2 である。

(2)

加法定理より cos(n+2)θ=2cosθcos(n+1)θcosnθ である。cosθ=1/p なので、両辺に pn+2 を掛けると pn+2cos(n+2)θ=2pn+1cos(n+1)θp2pncosnθ となる。したがって an+2=2an+1p2an である。

(3)

まず a1=pcosθ=1,a2=2p2 はいずれも整数である。(2)の漸化式は整数係数であるから、an,an+1 が整数なら an+2 も整数である。よって数学的帰納法により、すべての an は整数である。

次に p で割った余りを調べる。(2)より an+2=2an+1p2an2an+1(modp) である。また a11,a2=2p22(modp) である。したがって帰納法により an2n1(modp) が成り立つ。

p は3以上の奇数であるから、p2 は互いに素である。したがって 2n1p で割り切れない。ゆえに an2n1≢0(modp) であり、すべての n について anp で割り切れない整数である。

別解

別解(複素数の二項展開)

方針

z=p(cosθ+isinθ)=1+ip21 とおく。(1) は z2 の実部、(2) は z,z が満たす2次方程式から漸化式を得る。(3) は zn の二項展開の実部を整数式にし、法 p では偶数番の組合せ数の和へ帰着する。

解答

cosθ=1/p0<θ<π/2 よりz=p(cosθ+isinθ)=1+ip21とおける。またan=zn+z,n2である。

(1) z2 の実部は 1(p21)=2p2 だからa2=2p2.(2) z+z=2zz=p2 であるから、z,zX22X+p2=0を満たす。両方の式へそれぞれ zn,z,n を掛けて加えるとan+2=2an+1p2an.(3) 二項展開で虚数単位の偶数乗だけを集めるとan=j=0n/2nC2j(1)j(p21)j.右辺は整数だから an は整数である。さらに法 p では p211 なのでanj=0n/2nC2jpmodp.(1+1)n(11)n を加えると、偶数番の組合せ数の和は 2n1 である。よってan2n1(modp).p は奇数なので 2n1p で割り切れない。したがって、すべての nanp で割り切れない整数である。

総評

難度6、計算量4。目安時間は18分。三角関数で定義された数列を、加法定理によって整数係数の漸化式へ変える問題である。採点点は、両辺に掛けるべき pn+2 を間違えないこと、整数性を帰納法で示すこと、非可除性を余りで示すことである。最後の理由は「p が奇数なので 2 と互いに素」と書く必要がある。奇数であれば合成数でも 2 のべきは割り切れない。

冊子PDFで見る北大の三角関数の問題で問題集を作る

出典: 北海道大学 2015年度 後期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。