方針
(1) は二倍角公式を使う。(2)は加法定理から cos(n+2)θ=2cosθcos(n+1)θ−cosnθ を作り、両辺に pn+2 を掛けて an の漸化式にする。(3)はこの漸化式によって整数性を帰納し、さらに p で割った余りが 2n−1 に一致することを帰納的に示す。p が奇数なので 2 と p は互いに素である。
解答
(1)
cosθ=1/p であるから、二倍角公式より cos2θ=2cos2θ−1=p22−1 である。したがって a2=p2cos2θ=p2(p22−1)=2−p2 である。
(2)
加法定理より cos(n+2)θ=2cosθcos(n+1)θ−cosnθ である。cosθ=1/p なので、両辺に pn+2 を掛けると pn+2cos(n+2)θ=2pn+1cos(n+1)θ−p2pncosnθ となる。したがって an+2=2an+1−p2an である。
(3)
まず a1=pcosθ=1,a2=2−p2 はいずれも整数である。(2)の漸化式は整数係数であるから、an,an+1 が整数なら an+2 も整数である。よって数学的帰納法により、すべての an は整数である。
次に p で割った余りを調べる。(2)より an+2=2an+1−p2an≡2an+1(modp) である。また a1≡1,a2=2−p2≡2(modp) である。したがって帰納法により an≡2n−1(modp) が成り立つ。
p は3以上の奇数であるから、p と 2 は互いに素である。したがって 2n−1 は p で割り切れない。ゆえに an≡2n−1≡0(modp) であり、すべての n について an は p で割り切れない整数である。
別解
別解(複素数の二項展開)
方針
z=p(cosθ+isinθ)=1+ip2−1 とおく。(1) は z2 の実部、(2) は z,z が満たす2次方程式から漸化式を得る。(3) は zn の二項展開の実部を整数式にし、法 p では偶数番の組合せ数の和へ帰着する。
解答
cosθ=1/p、0<θ<π/2 よりz=p(cosθ+isinθ)=1+ip2−1とおける。またan=2zn+z,nである。
(1) z2 の実部は 1−(p2−1)=2−p2 だからa2=2−p2.(2) z+z=2、zz=p2 であるから、z,z はX2−2X+p2=0を満たす。両方の式へそれぞれ zn,z,n を掛けて加えるとan+2=2an+1−p2an.(3) 二項展開で虚数単位の偶数乗だけを集めるとan=j=0∑⌊n/2⌋nC2j(−1)j(p2−1)j.右辺は整数だから an は整数である。さらに法 p では p2−1≡−1 なのでan≡j=0∑⌊n/2⌋nC2jpmodp.(1+1)n と (1−1)n を加えると、偶数番の組合せ数の和は 2n−1 である。よってan≡2n−1(modp).p は奇数なので 2n−1 は p で割り切れない。したがって、すべての n で an は p で割り切れない整数である。
総評
難度6、計算量4。目安時間は18分。三角関数で定義された数列を、加法定理によって整数係数の漸化式へ変える問題である。採点点は、両辺に掛けるべき pn+2 を間違えないこと、整数性を帰納法で示すこと、非可除性を余りで示すことである。最後の理由は「p が奇数なので 2 と互いに素」と書く必要がある。奇数であれば合成数でも 2 のべきは割り切れない。
冊子PDFで見る北大の三角関数の問題で問題集を作る
出典: 北海道大学 2015年度 後期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。