Evolton

北海道大学 2025年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第3問

mを実数,α,βを0<α<π2,0<β<π2を満たす実数とする。
tan⁡α,3tan⁡βが方程式x6+mx3+27=0の解であるとき,以下の問いに答えよ。

(1) m≤−63であることを示せ。また,等号が成り立つときのα,βの値を求めよ。

(2) tan⁡α≠3tan⁡βのとき,α+βを求めよ。

(3) tan⁡α≠3tan⁡βのとき,S=2sin⁡αcos⁡βがとりうる値の範囲を求めよ。

難易度6/ 10計算量3/ 10

方程式・不等式、三角関数 解と係数の関係、相加相乗平均、必要十分条件

方針

x3を新しい変数とすれば,6次方程式が2次方程式になる。
ただし,(1)では与えられた二つの解が異なるとは限らない。
一つの正の解でmを評価し,異なる解には積の関係を使う
(1)ではp=tan⁡α>0を代入し,m=−(p3+27/p3)に相加相乗平均を使う。
(2)では異なる二つの解の三乗が2次方程式の二根となり,積から
tan⁡αtan⁡β=1を導く。

二つの数がどちらも方程式の解であることと,2次方程式の二根をそれぞれ占めることは同じではない。
解と係数の関係を二つの数に使うには,(2)の異なる条件が必要である。

鋭角の範囲でtan⁡αtan⁡β=1なら,αとβは余角である。
これを(3)へ代入するとS=2sin⁡2αとなる。
さらに「異なる解」の条件からα=π/3を除くため,
単に0<S<2としただけでは一つの値を余分に含める。
範囲内の残る値がすべて実現することも,最後に確かめる。

解答

p=tan⁡α>0とおく。方程式へ代入するとm=−(p3+27p3).相加相乗平均よりp3+27/p3≥227=63だからm≤−63.等号はp3=33,すなわちp=3で成立する。
このとき元の方程式は(x3−33)2=0なので,正の実数解は3だけである。
よってα=π3,β=π6.p=tan⁡α,q=3tan⁡βとおく。
p≠qかつp,q>0なので,p3,q3は
t2+mt+27=0の相異なる二根である。
解と係数の関係からp3q3=27,したがってpq=3。
よってtan⁡αtan⁡β=1である。
tan⁡α=tan⁡(π/2−β)と鋭角の範囲での単調性からα+β=π2.(2)よりS=2sin⁡2αである。
0<α<π/2だから0<S<2。
またp≠q=3/pはp2≠3と同値であり,
α≠π/3,すなわちS≠3/2となる。

逆に0<α<π/2,α≠π/3を任意にとり,
β=π/2−α,p=tan⁡α,m=−(p3+27/p3)とする。
このときpと3/p=3tan⁡βは元の方程式の相異なる解となる。
したがって,求める範囲は0<S<32または32<S<2.

別解

別解・背景

方針

正の根の存在を判別式で調べる方法。

解答

t=x3>0とおくと,t2+mt+27=0に正の根がある。
もう一つの根も積が27なので正であり,和が−m>0,判別式がm2−108≥0となる。
したがってm≤−63を得る。
等号では二根が33に重なり,主解と同じ角度が得られる。

(3) で除くS=3/2は,この重根の場合に対応する。
根が異なる条件が,値域の内部にある一つの値を除くことにつながっている。

総評

与えられた二つの解が異なる条件は(2)以降にだけある。(1)の段階では一つの正の解からmを評価する。重根の除外が、(3)の値域から3/2を除く条件に変わる。

北海道大学 理系数学 後期 過去問10年 2016–2019・2021–2026年度問題編48ページ・解答編89ページ 1,980円税込購入する

冊子PDFで見る北大の方程式・不等式の問題で問題集を作る

出典: 北海道大学 2025年度 後期日程 数学(理系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。