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熊本大学 2017年度 前期 理工系文系数学 第1問

原点をOとする座標空間内に3A(a,0,0)B(0,b,0)C(0,0,c)がある.ただし,a>0b>0c>0とする.BAC=θとし,ABCの面積をSとするとき,以下の問いに答えよ.

(問1)
cosθsinθabcを用いて表せ.

(問2)
Oを中心とする半径1の球面上の点をHとする.ベクトルHAHBHCがいずれもベクトルOHに垂直であるとき,1a2+1b2+1c2=1が成り立つことを示せ.

(問3)
(問2)の条件のもとで,a=3としたとき,面積Sの最小値とそのときのbcの値を求めよ.

(編注)2021年名古屋市立大中期薬学部で改変して活用

難易度7/ 10計算量6/ 10目安22

ベクトル図形と方程式方程式・不等式 ベクトル成分計算内積の利用不等式評価面積計算

方針

(問1)(問2)は座標成分で内積条件を処理する。(問3)ではS=12ABACsinθからS2b2,c2で表し,条件1/b2+1/c2=8/9を用いてb2+c2の下限を出す。等号成立条件からb=cを決める。

解答

(問1)AB=(a,b,0),AC=(a,0,c)である。よってABAC=a2,AB=a2+b2,AC=a2+c2よりcosθ=a2a2+b2a2+c2である。また 0<θ<π であるからsinθ=a2b2+a2c2+b2c2a2+b2a2+c2である。

(問2)
H=(x,y,z) とおく。OH=1 であり,HAOH より(AH)H=0である。したがって AH=1 であり,同様に BH=1CH=1 である。よってax=1,by=1,cz=1である。これを x2+y2+z2=1 に代入して1a2+1b2+1c2=1を得る。

(問3)
問1よりS=12ABACsinθであるからS2=14(a2b2+a2c2+b2c2)である。a=3 のとき,(問2)の条件は1b2+1c2=89である。x=b2y=c2 とおくとx+yxy=89すなわち xy=98(x+y) である。したがってS2=14{9(x+y)+xy}=8132(x+y)である。

一方,(xy)20 より xy(x+y)24 である。xy=98(x+y) を用いると98(x+y)(x+y)24であり,x+y>0 だから x+y92 である。よってS2813292=72964である。等号は x=y のとき成立し,このとき x=y=94 である。したがってSmin=278,b=c=32である。

別解

解法2

方針

角と面積は外積で処理し,球面条件は切片形の平面と原点の距離として読む。最小化では1/b2,1/c2を変数にして積を最大化する。

解答

(問1)AB=(a,b,0),AC=(a,0,c)であり,AB×AC=(bc,ac,ab)である。よってcosθ=a2a2+b2a2+c2,sinθ=a2b2+a2c2+b2c2a2+b2a2+c2である。

(問2)
Hの条件から平面ABCHX=1と表され,H=1なので原点から平面までの距離は1である。一方,切片形xa+yb+zc=1から距離は11/a2+1/b2+1/c2である。よって1a2+1b2+1c2=1を得る。

(問3)
u=1/b2, v=1/c2とおくと,a=3ではu+v=89である。外積からS2=14(9b2+9c2+b2c2)=9(u+v)+14uv=94uvとなる。相加・相乗平均よりuv(u+v2)2=1681だからS272964.等号はu=v=4/9のときであり,Smin=278,b=c=32である。

総評

難度7,計算量6。想定時間は22分程度。前半は空間ベクトルの成分計算だが,後半は条件式を b2,c2 に移して最小化する整理力が問われる。Sではなく S2 を最小化し,等号成立条件 b2=c2 から正の値を選ぶことが重要である。位置づけは差がつく難問であり,前半を確保したうえで時間次第では後半を見送り候補にする。

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出典: 熊本大学 2017年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。