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熊本大学 2017年度 前期 医学科理系数学 第3問

f(x)=(x1)(x2)x2x>0)とする.座標平面上の曲線y=f(x)Cとし,点P(t,f(t))t>0)における曲線Cの接線をlとする.以下の問いに答えよ.

(問1)
接線lと曲線Cが点P以外に共有点をもたないようなtの最大値を求めよ.

(問2)
(問1)で求めたtの値をaとする.実数kに対し,直線lk:y=k(xa)+f(a)と曲線Cの共有点の個数を求めよ.

(問3)
(問2)の直線lkと曲線Cの共有点が2個のとき,それら共有点のx座標のうち小さい方の値が13となるようなkを求め,そのときの曲線Cと直線lkで囲まれた部分の面積を求めよ.

難易度8/ 10計算量8/ 10目安30

微分積分関数 接線・法線グラフの概形、場合分け、面積計算

方針

f(x)=13/x+2/x2として微分し,接線との差を因数分解して,接点以外の共有点のx座標を調べる。(問1)では正の定義域に入るかどうかを判定する。(問2)はa=2として(x2)(kx2x+1)=0へ帰着し,二次方程式の正の解の個数をkで場合分けする。(問3)はx=1/3を代入してkを決め,差を積分する。

解答

(問1)f(x)=13x+2x2,f(x)=3x4x3である。点 (t,f(t)) における接線と曲線の共有点を調べるため,f(x){f(t)(xt)+f(t)}=0を考える。両辺に正の数 x2t3 を掛けて整理すると(xt)2{(43t)x+2t}=0となる。よって接点以外の候補はx=2t43tである。

t<0のとき,この値は正であり,しかも接点x=t<0とは異なるので,定義域x>0に接点以外の共有点をもつ。したがって条件を満たさない。

0<t<43 のとき,この値は負であるから定義域 x>0 に入らない。t=43 のときも接点以外の共有点はない。t>43 のとき,この値は正であり,接点以外の共有点になる。ただし 2t43t=t となる t=2 では,接点と一致するだけで点P以外の共有点はない。したがって条件を満たすtの最大値は2である。

(問2)
(問1)より a=2 であり,f(2)=0 である。直線 lky=k(x2)である。共有点のx座標は(x1)(x2)x2=k(x2)を満たす。両辺に x2 を掛けて整理すると(x2)(kx2x+1)=0である。

x=2 は常に共有点である。二次式 kx2x+1 を調べる。k<0 のときは正の解が1個,k=0 のときも解 x=11個である。0<k<14 のときは判別式 14k>0 で,積と和がともに正なので正の解が2個である。k=14 のときは x=2 が重解であり,新しい共有点はない。k>14 のとき二次式に実数解はない。

したがって共有点の個数は{2(k0),3(0<k<14),1(k14)である。

(問3)
共有点が2個で,小さい方のx座標が 13 であるから,x=13kx2x+1=0 の解である。よってk913+1=0よりk=6である。

このとき直線は y=6x+12 である。13x2 において直線が曲線の上にあるので,求める面積は1/32{6x+12(13x+2x2)}dx=1/32(6x+11+3x2x2)dx=[3x2+11x+3logex+2x]1/32=53+3loge6である。

別解

解法2

方針

接線との差の因数分解を『接点の重解と第3交点』として読む。(問3)では直線と曲線の差も完全に因数分解し,符号を確認してから表示積分する。

解答

(問1)
接線と曲線の共有点方程式は(xt)2{(43t)x+2t}=0である。接点以外の候補はr(t)=2t3t4である。t<0ではr(t)>0かつ接点tと異なるため条件を満たさない。0<t4/3では正の第3交点をもたず,t>4/3では通常r(t)>0となる。ただしr(t)=tとなるのはt=2で,このとき第3交点も接点に重なる。したがって条件を満たす最大値はa=2である。

(問2)
a=2, f(2)=0より直線はy=k(x2)であり,共有点条件は(x2)(kx2x+1)=0となる。二次因子の正の実根を判定すると{2(k0),3(0<k<1/4),1(k1/4)の共有点をもつ。k=1/4では二次因子の重根もx=2であることに注意する。

(問3)
x=1/3を二次因子へ代入してk=6を得る。このときlk(x)f(x)=(2x)(3x1)(2x+1)x2であり,1/3x2で非負である。よって面積はS=1/32(6x+11+3x2x2)dx=[3x2+11x+3logex+2x]1/32=53+3loge6である。

総評

難度8,計算量8。想定時間は30分程度。接線との差を因数分解して接点以外の共有点を一括で扱えるかが勝負になる。(問2)では k=1/4 のとき x=2 が重なるだけで共有点は1個である点が落とし穴である。(問3)は有理関数の積分で符号と自然対数の評価を慎重に処理したい。位置づけは差がつく難問であり,前半を確保したうえで時間次第では後半を見送り候補にする。

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出典: 熊本大学 2017年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。