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熊本大学 2022年度 前期文系数学 第2問

袋の中に赤玉2個と白玉2個の合計4個の玉が入っている.AB2人で次のルールに従ってゲームをする.
A,Bの順で繰り返しプレイヤーになる.
・プレイヤーは袋から玉を同時に2個取り出す.取り出した玉の色が同じならば,プレイヤーの勝利とする.取り出した玉の色が異なるならば,それらを袋に戻してよくかき混ぜ,プレイヤーを交替する.
Aが勝利するか,Aが勝利せずにAの後にBがプレイヤーになり,Bが勝利するか,Bが勝利せずにプレイヤーを交替することによって1巡が終了する.
・勝者が決まるとゲームは終了する.
 以下の問いに答えよ.
(問1) B1巡目で勝者になる確率を求めよ.
(問2) Nを自然数とし,N巡目以内にBが勝者になる確率をpNとする.pN>0.396となるNの最小値を求めよ.ただし,log23=1.585,log25=2.322とする.
(問3) Nを自然数とする.N巡目以内に勝者になる確率は,ABのどちらが大きいか.

難易度4/ 10計算量4/ 10目安12

確率数列指数・対数 余事象、独立性の利用、和の計算、範囲評価

方針

1回の手番で同色を引く確率を求め,1巡ごとの A 勝利,B 勝利,勝者なしの確率を出す。BN 巡以内に勝つ確率は等比数列の和になり,不等式は与えられた常用対数ではなく底2の対数値を用いて判定する。

解答

(問1)
1回の手番で同じ色の2個を取り出す確率は26=13であり,異なる色を取り出す確率は 23 である。B が1巡目で勝者になるには,A が異なる色を取り出し,続いて B が同じ色を取り出せばよい。したがって2313=29である。

(問2)
1巡で勝者が出ない確率は(23)2=49である。よってpN=29{1+49+(49)2++(49)N1}=25{1(49)N}である。pN>0.396(49)N<1100と同値である。底 2 の対数を用いるとN{2log232}>2(1+log25)である。与えられた値から2log232=1.170,2(1+log25)=6.644であるからN>6.6441.170である。右辺は 5 より大きく 6 より小さいので,最小の NN=6である。

(問3)
N 巡目以内に A が勝者になる確率は13{1+49++(49)N1}=35{1(49)N}である。一方,B が勝者になる確率は25{1(49)N}である。したがって,N 巡目以内に勝者になる確率は A の方が大きい。

別解

解法2(巡の開始状態から再帰式を立てる方法)

方針

Aの手番から始まる同じ状態へ戻る確率を求め、残り巡数に関する再帰式を立てる。
閾値判定は累乗を整数の大小で直接比較し、対数計算を使わない。

解答

1回の手番で同色を引く確率を s とするとs=2C2+2C24C2=13,1s=23.(問1)
Aが失敗し、続いてBが成功すればよいから2313=29.(問2)
A、Bがともに失敗すると、確率 4/9 で次の巡の開始状態へ戻る。
rN を残り N 巡以内にBが勝つ確率とするとr0=0,rN=29+49rN1.定常値 r=2/5 を引けばrN25=49(rN125),したがってrN=25{1(49)N}.条件 rN>0.396(4/9)N<1/100 と同値である。ここで10045=102400>95=59049,10046=409600<96=531441だから、最小値はN=6.(問3)
同様に、残り N 巡以内にAが勝つ確率 qNq0=0,qN=13+49qN1を満たすのでqN=35{1(49)N}.よって qN>rN であり、Aの方が大きい

総評

難度4,計算量4。想定時間は12分程度。1巡を単位にして等比数列へ落とせば見通しがよい。(問2)では 0.396=0.4×0.99 と見て (4/9)N<1/100 に変形するところが計算整理の要点である。位置づけは必答の得点源であり,途中計算を丁寧に残して確実に取り切りたい。 熊本大学2022年度資料20頁(数学①②③解答原稿12頁・医系問題解答8頁)と独立本文を照合し、結論・設問対応・計算過程を再確認した。

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出典: 熊本大学 2022年度 前期数学 教育,理,工,医(看護,放射線技術科,検査技術科学専攻),薬学部 第2問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。