方針
1回の手番で同色を引く確率を求め,1巡ごとの A 勝利,B 勝利,勝者なしの確率を出す。B が N 巡以内に勝つ確率は等比数列の和になり,不等式は与えられた常用対数ではなく底2の対数値を用いて判定する。
解答
(問1)
1回の手番で同じ色の2個を取り出す確率は62=31であり,異なる色を取り出す確率は 32 である。B が1巡目で勝者になるには,A が異なる色を取り出し,続いて B が同じ色を取り出せばよい。したがって32⋅31=92である。
(問2)
1巡で勝者が出ない確率は(32)2=94である。よってpN=92{1+94+(94)2+⋯+(94)N−1}=52{1−(94)N}である。pN>0.396 は(94)N<1001と同値である。底 2 の対数を用いるとN{2log23−2}>2(1+log25)である。与えられた値から2log23−2=1.170,2(1+log25)=6.644であるからN>1.1706.644である。右辺は 5 より大きく 6 より小さいので,最小の N はN=6である。
(問3)
N 巡目以内に A が勝者になる確率は31{1+94+⋯+(94)N−1}=53{1−(94)N}である。一方,B が勝者になる確率は52{1−(94)N}である。したがって,N 巡目以内に勝者になる確率は A の方が大きい。
別解
解法2(巡の開始状態から再帰式を立てる方法)
方針
Aの手番から始まる同じ状態へ戻る確率を求め、残り巡数に関する再帰式を立てる。
閾値判定は累乗を整数の大小で直接比較し、対数計算を使わない。
解答
1回の手番で同色を引く確率を s とするとs=4C22C2+2C2=31,1−s=32.(問1)
Aが失敗し、続いてBが成功すればよいから32⋅31=92.(問2)
A、Bがともに失敗すると、確率 4/9 で次の巡の開始状態へ戻る。
rN を残り N 巡以内にBが勝つ確率とするとr0=0,rN=92+94rN−1.定常値 r=2/5 を引けばrN−52=94(rN−1−52),したがってrN=52{1−(94)N}.条件 rN>0.396 は (4/9)N<1/100 と同値である。ここで100⋅45=102400>95=59049,100⋅46=409600<96=531441だから、最小値はN=6.(問3)
同様に、残り N 巡以内にAが勝つ確率 qN はq0=0,qN=31+94qN−1を満たすのでqN=53{1−(94)N}.よって qN>rN であり、Aの方が大きい。
総評
難度4,計算量4。想定時間は12分程度。1巡を単位にして等比数列へ落とせば見通しがよい。(問2)では 0.396=0.4×0.99 と見て (4/9)N<1/100 に変形するところが計算整理の要点である。位置づけは必答の得点源であり,途中計算を丁寧に残して確実に取り切りたい。 熊本大学2022年度資料20頁(数学①②③解答原稿12頁・医系問題解答8頁)と独立本文を照合し、結論・設問対応・計算過程を再確認した。
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出典: 熊本大学 2022年度 前期数学 教育,理,工,医(看護,放射線技術科,検査技術科学専攻),薬学部 第2問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。