方針
(1) は右辺の形から −t1e−t2/2 を微分して比較する。導関数が (1+1/t2)e−t2/2 となり、被積分関数以上であることを積分する。(2) は指数を平方完成し、u=t−2 と置いて (1) の a=1, x=b−2 の場合へ帰着する。
解答
(1) t>0 に対して F(t)=−t1e−2t2 とおく。積の微分によりF′(t)=t21e−2t2+e−2t2=(1+t21)e−2t2である。したがって F′(t)≧e−2t2 が t>0 で成り立つ。 0<a≦x だから、両辺を a から x まで積分して∫axe−2t2dt≦∫axF′(t)dt=F(x)−F(a)を得る。右辺を戻すと F(x)−F(a)=−x1e−2x2+a1e−2a2 である。よって∫axe−2t2dt≦a1e−2a2−x1e−2x2が示された。
(2)
指数を平方完成すると −2t2+2t=−2(t−2)2+2 である。u=t−2 とおくと、b>3 より b−2>1 であり、∫3be−2t2+2tdt=e2∫1b−2e−2u2duとなる。
(1) を a=1, x=b−2 に適用すると∫1b−2e−2u2du≦e−21−b−21e−2(b−2)2である。ここで第2項は正なので、e−21−b−21e−2(b−2)2<e−21 である。したがって∫3be−2t2+2tdt<e2e−21=e23となる。
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別解
解法2(被積分関数を単調な因子で抑える)
方針
(1) では t≧a より 1/t≦1/a を使い、
te−t2/2 の積分へ変える。(2) は平方完成して (1) を適用する。
解答
(1) a≦t≦x では 1/t≦1/a だからe−t2/2=t1te−t2/2≦a1te−t2/2.よって∫axe−t2/2dt≦a1∫axte−t2/2dt=a1(e−a2/2−e−x2/2).x≧a より 1/a≧1/x なのでa1e−a2/2−a1e−x2/2≦a1e−a2/2−x1e−x2/2.これで (1) が示された。
(2) u=t−2 と置くと∫3be−t2/2+2tdt=e2∫1b−2e−u2/2du.(1) を a=1,x=b−2 に適用すると∫1b−2e−u2/2du≦e−1/2−b−21e−(b−2)2/2<e−1/2.したがって元の積分は e3/2 より小さい。
総評
積分を直接計算せず、補助関数の導関数で上から評価する不等式問題。目安時間は19分。(1) では −1/t を掛けた形を微分すると余分な正の項が出ることを確認する。(2) は平方完成後に下端が u=1 になるため、(1) の a=1 をそのまま適用できる。最後の不等号が厳しくなる理由は、引いている項が正であるためである。
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冊子PDFで見る京大の積分の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 1981年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。