方針
y=x と y=−x が作る右向きの角を考え、第三の直線が両方の辺を正の位置で横切る条件を求める。これに二次方程式の実根条件と、小さい根 β が正である条件を合わせる。β>0 は解と係数の関係で簡潔に判定する。
解答
二次方程式が実根をもつ条件は(−2a)2−4(3a−2)≧0,すなわち(a−1)(a−2)≧0.よってa≦1またはa≧2.最初の二つの不等式は、原点を頂点とし y=x、y=−x を辺とする右向きの角を表す。第三の境界線は3x−ay=3βである。上側の辺 y=x との交点の x 座標は3−a3β,下側の辺 y=−x との交点の x 座標は3+a3βである。非退化な三角形になるための必要十分条件は、両方が正で、第三の半平面が角の先端側を残すことである。したがってβ>0,−3<a<3.根の和と積はα+β=2a,αβ=3a−2.a≦1 の範囲では、両根が正、すなわち小さい根 β が正となる条件は2a>0,3a−2>0,より 32<a≦1 である。a≧2 なら和と積がともに正なので両根は正であり、図形条件 −3<a<3 と合わせて 2≦a<3 となる。
以上より32<a≦1または2≦a<3である。
別解
解法2(小さい根を根の公式で評価する)
方針
図形条件 β>0、−3<a<3 を先に確定する。小さい根を根の公式で明示し、実根条件 a≦1 または a≧2 の各範囲で不等式 β>0 を解く。
解答
三角形を作る図形条件は、第三の直線が右向きの角の二辺を正の位置で切ることからβ>0,−3<a<3.また実根条件は(a−1)(a−2)≧0,すなわち a≦1 または a≧2 である。
小さい根はβ=a−(a−1)(a−2)である。a≦1 のとき、β>0 ならまず a>0 が必要である。そのもとで両辺を2乗するとa2>(a−1)(a−2)となり、これは3a>2と同値である。よって 32<a≦1 である。
a≧2 のときはa2−(a−1)(a−2)=3a−2>0なので常に β>0 である。図形条件を合わせると 2≦a<3 となる。
したがって求める範囲は32<a≦1または2≦a<3である。
総評
難度7、計算量6、目安32分。二次方程式の実根条件と、三つの半平面が非退化な三角形を作る条件を分離した。小さい根 β の正値条件は、根の公式と解と係数の関係の2通りで照合した。
冊子PDFで見る京大の方程式・不等式の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 1982年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。