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京都大学 1982年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

A2=(1001)および
b0をみたす行列A=(abcd)について,次のことを示せ.

(1) 一次変換(xy)=A(xy)において,
P(x,y)とその像Q(x,y)を結ぶ線分の中点は,原点を通る定直線l上にある.

(2) (1)において,線分PQがつねに定直線lと垂直であるための必要十分条件は,b=cである.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安30

行列図形と方程式 式変形、必要十分条件内積の利用

方針

A2=I を成分比較し、d=aa2+bc=1 を得る。中点は A によって動かない方向にあり、PQA によって符号が反転する方向にある。それぞれの方向ベクトルを求め、内積が0となる条件を調べる。

解答

(1) A=(abcd),A2=Iを成分比較するとa2+bc=1,b(a+d)=0,d2+bc=1を得る。b0 よりd=a,a2+bc=1.P の位置ベクトルを p、像 Q の位置ベクトルを Ap とする。中点 M の位置ベクトルはm=12(p+Ap)である。するとAm=12(Ap+A2p)=m.M=(X,Y) と書けば、Am=m の第1成分から(a1)X+bY=0.これは原点を通る定直線l:(a1)X+bY=0である。

(2)

直線 l の方向ベクトルにはe+=(b1a)を取れる。一方、PQ の方向ベクトルをv=(AI)pとするとAv=A(AI)p=(IA)p=v.したがって PQ は、A によって符号が反転する一定の方向をもつ。その方向ベクトルにはe=(ba1)を取れる。

よって PQl が常に成り立つための必要十分条件はe+e=b2+(1a)(a1)=b2(1a2)=b2bc=b(bc)が0となることである。b0 なので、これはb=cと同値である。

別解

解法2(座標式を直接消去する)

方針

像 Q の座標と中点 M の座標を成分で書く。M の二つの式から x,y を消去して定直線を得る。さらに PQ の方向ベクトルと直線 l の方向ベクトルの内積を x,y の一次式として計算し、それがすべての P で0になる条件を求める。

解答

(1)

A2=Ib0 から、成分比較によりd=a,a2+bc=1である。像 Q=(x,y)x=ax+by,y=cxayと表される。中点 M=(X,Y) について2X=(a+1)x+by,2Y=cx+(1a)y.この2式から(a1)X+bY=0を得るので、中点は定直線 l:(a1)X+bY=0 上にある。

(2)

直線 l の方向ベクトルを (b,1a) とする。線分 PQ の方向ベクトルは(xx,yy)=((a1)x+by,cx(a+1)y)である。内積を計算するとb{(a1)x+by}+(1a){cx(a+1)y}=(a1)(bc)x+{b2(1a2)}y=(bc){(a1)x+by}.ここで 1a2=bc を用いた。

b=c ならこの内積はすべての x,y で0となるので十分である。逆に、すべての P に対して0になるなら、(a1)x+by は恒等的に0ではないから bc=0 が必要である。よって必要十分条件は b=c である。

総評

難度7、計算量6、目安30分。問題文が明示的に行列と一次変換を扱うため、この1題だけ行列を使用した。不変方向・符号反転方向による方法と、座標式を直接消去する方法で必要十分性を相互確認した。

冊子PDFで見る京大の行列の問題で問題集を作る

出典: 京都大学 1982年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。