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京都大学 1983年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

xy 平面上に動点 P,Q がある。Q は時刻0のとき点 (0,b) にあり(b>0)、速さ1で y 軸上を正の向きに進む。他方 P は時刻0のとき x 軸上の点 (a,0) にあり(a>0)、速さ1で x 軸上を正の向きに進み、ある時刻 t (0) で向きを変え、速さを 2 に変更して Q に到達するように直進するものとする。時刻 t から到達する時刻までの時間が最小になるような t を求めよ。ただし、0<a<b とする。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安21

関数微分図形と方程式 微分による最大最小、式変形、パラメータ処理

方針

向きを変えた後の所要時間を τ と置く。到着時の Q の位置には t+τ が入ることに注意して距離方程式を作り、正の解 τ=F(t) を微分する。

解答

向きを変えた後、到達までにかかる時間を τ>0 とする。時刻 tP と、到達時刻 t+τQ の位置はP=(ta,0),Q=(0,t+τb).P がその後に進む距離は 2τ だから(ta)2+(t+τb)2=2τ2.τ の正の解を取るとτ=F(t)=tb+(ta)2+2(tb)2.微分すればF(t)=1+3ta2b(ta)2+2(tb)2.F(t)=0 なら(ta)2+2(tb)2=a+2b3t.両辺を2乗すると(tb)(3t2ab)=0.t=b では2乗前の右辺が ab<0 となるので不適である。一方t=2a+b3では2乗前の右辺も正である。さらにF(t)=2(ba)2{(ta)2+2(tb)2}3/2>0だから、これがただ1つの最小点である。

到達点は時刻 tQ ではなく、時刻 t+τ の位置

別解

解法2(実数解の条件で下限を出す)

方針

距離方程式を、切替時刻ではなく y=tb に関する二次方程式と見る。実際に切替時刻が存在するための判別条件から、所要時間 τ の下限を直接求める。

解答

d=ba>0y=tb とおく。するとta=y+d,t+τb=y+τ.到達条件は(y+d)2+(y+τ)2=2τ2,すなわち2y2+2(d+τ)y+d2τ2=0.実際の切替時刻に対応する実数 y が存在するためには、この二次方程式の判別条件より0{2(d+τ)}28(d2τ2)=4(3τd)(τ+d)でなければならない。τ>0,d>0 だからτd3=ba3.等号のとき二次方程式は重解をもちy=d+τ2=2d3.したがってt=b+y=b2(ba)3=2a+b3.この値は正で、実際に τ=(ba)/3 を実現する。よって求める時刻はt=2a+b3.

総評

動く相手への追跡時間を最小化する問題。目安時間は21分。微分による増減と、距離方程式が実数解をもつための判別条件という独立な2方法で t=(2a+b)/3 を確認した。

冊子PDFで見る京大の関数の問題で問題集を作る

出典: 京都大学 1983年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。