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京都大学 1984年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

方程式xy=1によって与えられる双曲線をCとし,
また次のように,行列(abcd)によって定義される1次変換をfとする.(xy)=(abcd)(xy)1次変換fが双曲線CC自身の上へ写すための(abcdについての)必要十分条件を求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

行列図形と方程式 恒等式比較必要十分条件、場合分け

方針

双曲線上の点を (x,1/x) とおき、変換後の2座標の積がすべての x01 になる条件を恒等式として比較する。そこで得られる ac=0, bd=0, ad+bc=1 から、対角型と反対角型の2通りだけに分かれる。最後に、それぞれが単に C の中へ入るだけでなく、C の任意の点を実際に得られることまで確認する。

解答

C 上の点は (x,y)=(x,1x)(x0) と表せる。この点を与えられた一次変換で移した後の座標を (x,y) とすると、x=ax+bx,y=cx+dx である。

まず、CC の中へ移るためには、すべての x0 について xy=1 でなければならない。実際に積を計算するとxy=(ax+bx)(cx+dx)=acx2+ad+bc+bdx2である。これが常に 1 に等しいので、x2 の項、1/x2 の項、定数項を比べて ac=0,bd=0,ad+bc=1 を得る。

この3条件を満たす形を調べる。ac=0, bd=0 から、a,c の少なくとも一方、b,d の少なくとも一方が 0 である。もし a=b=0 または c=d=0 なら ad+bc=0 となり不適である。したがって残る可能性は b=c=0,ad=1 または a=d=0,bc=1 の2通りである。

次に十分性を確認する。b=c=0, ad=1 のときは (x,y)=(ax,dy) であり、xy=1 なら xy=adxy=1 である。また C 上の任意の点 (X,Y) に対して x=Xa,y=Yd とすれば xy=XY/(ad)=1 であり、その点から (X,Y) が得られる。 a=d=0, bc=1 のときは (x,y)=(by,cx) であり、同じく xy=bcxy=1 である。任意の (X,Y)C に対しては y=Xb,x=Yc とすれば xy=XY/(bc)=1 であるから、やはり C 全体が得られる。

よって必要十分条件は b=c=0, ad=1 または a=d=0, bc=1 である。

双曲線上の全点を保つ線形変換は、2つの型に限られる

別解

解法2

方針

双曲線上の点 (t,1/t) を写し、t
t0 で積が1のまま有界であることから ac=bd=0 を得る。
その後 t=1 で定数項を決め、零成分の組合せを分類する。

解答

C 上の点 (t,1/t) の像はx=at+bt,y=ct+dt.C が自身へ写るならxy=act2+ad+bc+bdt2=1が全ての t0 で成り立つ。t でも左辺が
1のままなので ac=0t0 から bd=0 である。
よってad+bc=1.零成分を分類するとb=c=0,ad=1またはa=d=0,bc=1の2通りだけが残る。

前者は (x,y)(ax,dy)、後者は
(x,y)(by,cx) であり、どちらも座標の積を保つ。
また係数は0でないので逆向きにも任意の C 上の点を得られる。
したがって上の2条件が必要十分条件である。

総評

双曲線 xy=1 の保存条件を、点 (x,1/x) に対する恒等式へ落とすのが決め手である。目安時間は15分。係数比較で必要条件を出した後、最後に C の任意の点が得られることを示して「自身の上へ」という条件まで満たす答案にする。 2つの解法を相互に照合し、境界値・必要十分性・符号・最終値を確認した。

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出典: 京都大学 1984年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。