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京都大学 1999年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

複素平面上で,ABCの頂点を表す複素数をαβγとする.
αβγが次の3条件を満たすとする.

1. ABCは辺の長さ3の正三角形である

2. α+β+γ=3

3. αβγは絶対値1で,虚数部分は正

このとき,次の問に答えよ.

(1) z=α1とおいて,βγzを使って表せ.

(2) αβγの偏角を求めよ.
ただし0argαargβargγ<360とする.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

複素数平面三角関数 複素数の極形式、回転・拡大、実部虚部比較

方針

正三角形の重心は3頂点の平均であり、条件 α+β+γ=3 から中心は複素数 1 である。z=α1 とおくと、辺の長さが 3 であることから z=1 となり、他の頂点は 1 を中心に z120, 240 回転した点で表せる。積は (1+z)(1+ωz)(1+ω2z)=1+z3 と簡単になり、絶対値1かつ虚部正という条件から z3 の偏角を 120 に決める。最後に3通りの z を調べ、指定された偏角順序に合うものを選ぶ。

解答

(1) ω=12+32i とおく。これは偏角 120 の複素数であり、ω3=1, 1+ω+ω2=0 を満たす。

条件 α+β+γ=3 より、三角形の重心は α+β+γ3=1 である。正三角形では重心と中心が一致するので、3頂点は複素数 1 を中心とする円周上にある。 z=α1 とおく。正三角形の中心から各頂点までの距離を r とすると、辺の長さは zωz=1ωz=3z である。これが 3 に等しいので z=1 である。したがって、残りの2頂点は z を中心のまわりに 120, 240 回転した点であり、順序を除いて {β,γ}={1+ωz,1+ω2z} である。後の偏角順序に合わせて、必要なら βγ を入れ替える。

(2)
(1)の表し方で積を計算する。1+ω+ω2=0, ω3=1 より αβγ=(1+z)(1+ωz)(1+ω2z)=1+z3 である。 z=1 なので、z3 も単位円上にある。z3=cosθ+isinθ とおくと αβγ=1+cosθ+isinθ である。これの絶対値が1であるから 1+z3=1 である。単位円上の点 z3 について1+cosθ+isinθ2=(1+cosθ)2+sin2θ=2+2cosθだから 2+2cosθ=1 すなわち cosθ=12 である。さらに αβγ の虚数部分は正なので sinθ>0 である。よって θ=120 であり、z3=cos120+isin120 である。

したがって z の偏角は 40,160,280 のいずれかである。それぞれについて、1+eiϕ の偏角を調べる。 z の偏角が 40 のとき、3頂点は 1+e40i,1+e160i,1+e280i である。ここで 1+eiϕ=2cosϕ2eiϕ/2 を用いると、偏角はそれぞれ 20,80,320 である。これは指定された順序 0argαargβargγ<360 に合う。

一方、z の偏角が 160 または 280 のときは、α=1+z の偏角がそれぞれ 80, 320 となり、3つの偏角を α,β,γ の順に非減少に並べることができない。したがって条件に合うのは z の偏角が 40 の場合だけである。

よってargα=20,argβ=80,argγ=320である。

別解

解法2

方針

正三角形の中心を1へ平行移動し、3頂点を単位円上の120度間隔の点として扱う。積 1+z3 の条件を単位円どうしの交点として図形的に読み、候補角を順序条件で選別する。

解答

(1) ω=cos120+isin120 とする。重心は1で、正三角形の外接半径は1だから、z=α1 と置けば z=1β=1+ωz,γ=1+ω2zとできる。ただし向きが反対なら β,γ を交換する。

(2) αβγ=(1+z)(1+ωz)(1+ω2z)=1+z3.z3=1 かつ 1+z3=1 なので、複素平面では z3 は中心0と 1、半径1の2円の交点にある。虚部が正である方を選ぶとargz3=120.従ってargz=40, 160, 280.arg(1+eiϕ) を各候補で調べ、指定された α,β,γ の順序を満たすのは argz=40 だけである。よってargα=20,argβ=80,argγ=320.

総評

難度7、計算量6。正三角形の中心が 1 であることを見抜き、3頂点を 1+z,1+ωz,1+ω2z と表すのが核心である。想定時間は25分程度。辺の長さ 3 から z=1 を出す確認を省かないこと。積が 1+z3 になる計算はこの問題の山場で、そこから 1+z3=1 と虚部正により z3 の偏角が 120 と決まる。最後は3つの候補を実際に偏角へ戻し、指定された α,β,γ の順序で選別する必要がある。 主解法と第2解法を別々に再計算し、条件範囲、端点、等号成立条件まで照合した。

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出典: 京都大学 1999年度 前期 理系 第4問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。