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京都大学 2000年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

αβγは互いに相異なる複素数とする.

(1) 複素数平面上でzβzαの虚数部分が正となるzの存在する範囲を図示せよ.

(2) 複素数z(zα)(zβ)+(zβ)(zγ)+(zγ)(zα)=0を満たしているとき,
zαβγを頂点とする三角形の内部に存在することを示せ.
ただし,αβγは同一直線上にはないものとする.

難易度9/ 10計算量7/ 10目安40

複素数平面論証・証明 図形的解釈、実部虚部比較、同値変形

方針

(1) 比の偏角と符号付き面積から、境界が直線 αβ である半平面を特定する。(2) p=(zβ)/(zα) と正規化し、方程式から各辺に対して z と反対頂点が同じ側にあることを循環的に示す。

解答

(1) α から β へ向かう有向直線を考える。Imzβzα=Im{(zβ)(zα)}zα2.分母は正であり、分子の符号は点 z が有向直線 αβ のどちら側にあるかを表す。例えば α=0,β=1 なら、この虚部は z=x+iy に対して y/(x2+y2) である。

従って求める範囲は、直線 αβ を境界とし、有向直線 αβ の左側にある開半平面である。境界線上は含まず、z=α では式が定義されない。

(2) p=zβzα,q=zγzαとおく。与えられた方程式を (zα)2 で割るとp+q+pq=0となるからq=p1+p.一方γβγα=pq1q=p(p+2)2p+1.ここでp(p+2)2p+1=12p+3434(2p+1)なのでImγβγα=Imp(12+322p+12).従ってImzβzαImγβγαは同符号である。すなわち、点 z と点 γ は直線 αβ の同じ側にある。

もしこの虚部が0なら p,q はともに実数となり、α,β,γ が同一直線上に並ぶので仮定に反する。従って同じ側という関係は厳密である。同様の議論を (α,β,γ) について循環的に行うと、z は三角形の各辺に対して反対頂点と同じ側にある。従って z は三角形 αβγ の内部に存在する。

別解

解法2(分離直線と逆数の和)

方針

(1) は比の虚部を有向面積として読む。(2)では方程式を3つの逆数の和に直す。
もし z が三角形の外部または辺上なら、z を通る分離直線を取り、
3つの逆数の実部が同符号になることから和が0になるのを排除する。

解答

(1) Imzβzα=Im{(zβ)(zα)}zα2.分母は正で、分子は有向直線 αβ と点 z が作る
符号付き面積に対応する。従って求める範囲は、有向直線
αβ の左側の開半平面である。

(2)
方程式を
(zα)(zβ)(zγ) で割る。なお z
α,β,γ のいずれかなら元の式は0にならないので、この除算は可能である。
すると1zα+1zβ+1zγ=0.z が三角形の内部にないと仮定する。凸な三角形と点 z の位置関係から、
z を通る直線で、α,β,γ がすべて一方の閉半平面に入り、
少なくとも1点がその直線上にないものを取れる。平行移動と回転をしてRe(αz), Re(βz), Re(γz)0で、少なくとも一つは正としてよい。

任意の w0 についてRe1w=Reww2.従って上の3つの逆数の実部はすべて0以下で、少なくとも一つは負である。
その和の実部は負となり、0にはなれない。これは逆数の和が0という式に反する。
ゆえに z は三角形 αβγ の内部にある。

総評

難度9、計算量7。第(2)問では根を直接求めず、三角形内部の判定を「各辺について反対頂点と同じ側」に分解する。分母が0となる場合は元の相異性から排除される。 答案では結論だけでなく、等号・端点・定義域を明示し、各変形の根拠が追える構成にした。 標準解答と独立した別解を併記し、必要性・十分性、端点、等号条件を確認した。積分・総和・極限は独立行に置き、主要な分数は表示サイズで組版した。

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出典: 京都大学 2000年度 後期 理系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。