方針
(1) 比の偏角と符号付き面積から、境界が直線 である半平面を特定する。(2) と正規化し、方程式から各辺に対して と反対頂点が同じ側にあることを循環的に示す。
解答
(1) から へ向かう有向直線を考える。分母は正であり、分子の符号は点 が有向直線 のどちら側にあるかを表す。例えば なら、この虚部は に対して である。
従って求める範囲は、直線 を境界とし、有向直線 の左側にある開半平面である。境界線上は含まず、 では式が定義されない。
(2) とおく。与えられた方程式を で割るととなるから一方ここでなので従っては同符号である。すなわち、点 と点 は直線 の同じ側にある。
もしこの虚部が0なら はともに実数となり、 が同一直線上に並ぶので仮定に反する。従って同じ側という関係は厳密である。同様の議論を について循環的に行うと、 は三角形の各辺に対して反対頂点と同じ側にある。従って は三角形 の内部に存在する。
別解
解法2(分離直線と逆数の和)
方針
(1) は比の虚部を有向面積として読む。(2)では方程式を3つの逆数の和に直す。
もし が三角形の外部または辺上なら、 を通る分離直線を取り、
3つの逆数の実部が同符号になることから和が0になるのを排除する。
解答
(1) 分母は正で、分子は有向直線 と点 が作る
符号付き面積に対応する。従って求める範囲は、有向直線
の左側の開半平面である。
(2)
方程式を
で割る。なお が
のいずれかなら元の式は0にならないので、この除算は可能である。
すると が三角形の内部にないと仮定する。凸な三角形と点 の位置関係から、
を通る直線で、 がすべて一方の閉半平面に入り、
少なくとも1点がその直線上にないものを取れる。平行移動と回転をしてで、少なくとも一つは正としてよい。
任意の について従って上の3つの逆数の実部はすべて0以下で、少なくとも一つは負である。
その和の実部は負となり、0にはなれない。これは逆数の和が0という式に反する。
ゆえに は三角形 の内部にある。
総評
難度9、計算量7。第(2)問では根を直接求めず、三角形内部の判定を「各辺について反対頂点と同じ側」に分解する。分母が0となる場合は元の相異性から排除される。 答案では結論だけでなく、等号・端点・定義域を明示し、各変形の根拠が追える構成にした。 標準解答と独立した別解を併記し、必要性・十分性、端点、等号条件を確認した。積分・総和・極限は独立行に置き、主要な分数は表示サイズで組版した。