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京都大学 1998年度 後期日程 第2次学力試験文系(後期)数学 第1問

αを0でない複素数とする.
β2=αとなるような複素数βがちょうど2個存在することを示せ.

難易度3/ 10計算量2/ 10目安5

複素数平面論証・証明 複素数の極形式、存在証明、一意性証明

方針

αを極形式で表して平方根を2つ構成する。その後、任意の平方根と構成した1つとの差・和の積を用いて、それ以外に解がないことを示す。

解答

α0であるから、ある実数θを用いてα=r(cosθ+isinθ)(r=α>0)と書ける。そこでβ0=r(cosθ2+isinθ2)とおくと、ド・モアブルの定理よりβ02=r(cosθ+isinθ)=αである。また(β0)2=αでもある。β00なので、β0β0は相異なる。

逆に、複素数γγ2=αを満たすとする。このときγ2β02=(γβ0)(γ+β0)=0である。複素数の積が0ならば少なくとも一方が0だから、γ=β0またはγ=β0である。

従って、条件を満たす複素数はβ0,β0のちょうど2個である。

別解

解法2

方針

α=u+vi, β=x+yi と実部・虚部に分ける。絶対値から x2,y2 を一意に決め、積 2xy=v が相対符号を決めることにより、2解が互いに符号を変えたものだけであると示す。

解答

α=u+vi,β=x+yiとおく。β2=αx2y2=u,2xy=vと同値である。また絶対値を取ればx2+y2=β2=α.従ってx2=α+u2,y2=αu2.右辺はともに0以上であり、少なくとも一方は正である。

v0 のときは x,y0 で、上の2式が x,y を決め、2xy=v が2数の相対符号を決める。従って1組 (x0,y0) が決まれば、可能なのは(x,y)=(x0,y0),(x0,y0)の2組だけである。

v=0 のとき、α0 だから u0 である。u>0 なら y=0, x=±uu<0 なら x=0, y=±u であり、やはり2個である。

以上より、β2=α の解は、ある1つの解 β0 とその反数 β0 のちょうど2個である。

総評

難度3、計算量2。存在だけでなく「それ以外にない」ことまで示す必要がある。極形式で2解を作り、平方差の因数分解で一意性を閉じた。0でないという仮定は2解が相異なることの保証に使われるため、答案中で明示することが重要である。

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出典: 京都大学 1998年度 後期 文系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。