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京都大学 1999年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

相異なる4つの複素数z1z2z3z4に対して
w=(z1z3)(z2z4)(z1z4)(z2z3)と置く.
このとき,以下を証明せよ.

(1) 複素数zが単位円上にあるための必要十分条件はzˉ=1zである.

(2) z1z2z3z4が単位円上にあるとき,wは実数である.

(3) z1z2z3が単位円上にあり,wが実数であれば,z4は単位円上にある.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安25

複素数平面論証・証明 必要十分条件、式変形、実部虚部比較

方針

(1)zzˉ=z2 から単位円上の条件を共役で表す。(2)は単位円上の各点について zˉj=1/zj を代入し、差 1/zi1/zj を整理して wˉ=w を示す。(3)では z4=z とおき、w=wˉ を使う。z1,z2,z3 についてだけ zˉj=1/zj を代入し、共通因子を消すと (z2z1)(1z2)=0 が出るので、相異なる条件から z=1 を得る。

解答

(1)
複素数 z が単位円上にあることは z=1 と同値である。このとき z0 であり、zzˉ=z2=1 だから、両辺を z で割って zˉ=1z を得る。

逆に zˉ=1z が成り立つなら、右辺が定義されているので z0 である。両辺に z をかけると zzˉ=1 であり、すなわち z2=1 である。z0 だから z=1 となり、z は単位円上にある。よって必要十分条件が示された。

(2) z1,z2,z3,z4 が単位円上にあるとする。(1)より zˉj=1zj(j=1,2,3,4) である。したがってwˉ=(zˉ1zˉ3)(zˉ2zˉ4)(zˉ1zˉ4)(zˉ2zˉ3)=(1z11z3)(1z21z4)(1z11z4)(1z21z3)である。ここで 1zi1zj=zjzizizj を用いると、分子と分母に現れる z1z2z3z4 は打ち消し合い、また符号も2個ずつ出るので wˉ=(z1z3)(z2z4)(z1z4)(z2z3)=w となる。したがって w は実数である。

(3) z4=z とおく。z1,z2,z3 は単位円上にあるので、(1)より zˉj=1zj(j=1,2,3) である。また w は実数だから w=wˉ である。

まず w=z1z3z2z3z2zz1z と書ける。一方、共役を取るとwˉ=zˉ1zˉ3zˉ2zˉ3zˉ2zˉzˉ1zˉである。前半の比はzˉ1zˉ3zˉ2zˉ3=1z11z31z21z3=z2z1z1z3z2z3である。またzˉ2zˉzˉ1zˉ=1z2zˉ1z1zˉ=z1z21z2zˉ1z1zˉである。したがって wˉ=z1z3z2z31z2zˉ1z1zˉ となる。 w=wˉ であり、z1,z2,z3,z は相異なるので、共通因子 (z1z3)/(z2z3) を消して z2zz1z=1z2zˉ1z1zˉ を得る。分母は0でない。両辺を払うと (z2z)(1z1zˉ)=(z1z)(1z2zˉ) である。展開して共通項を消すと z2z1=z2(z2z1) となる。すなわち (z2z1)(1z2)=0 である。z1z2 だから z2=1 であり、z=1 である。よって z=z4 は単位円上にある。

別解

解法2

方針

交比 w の偏角を、4点を結ぶ線分の向き付き角の差として読む。単位円上の4点なら同じ弦を見る円周角が等しいので w は実数になり、逆に w が実数なら3点を通る円周角条件から第4点も同じ円上にある。

解答

(1)
z が単位円上にあることは z=1 と同値である。z2=zzˉ よりz=1    zzˉ=1    zˉ=1z.(2)
複素数の商の偏角は線分の向き付き角を表すのでargw=(z1z3,z1z4)(z2z3,z2z4).4点が同じ単位円上にあれば、右辺の2角は同じ弦 z3z4 に対する円周角であり、向きを含めて π の整数倍だけ異なる。従ってargw0(modπ)であり、w は実数である。

(3)
w が実数なら逆に(z1z3,z1z4)(z2z3,z2z4)(modπ).これは4点が同一円周上にあるための円周角の逆である。z1,z2,z3 を通る円は単位円で一意だから、相異なる第4点 z4 も単位円上にある。

総評

難度7、計算量7。単位円上では共役が逆数になる、という基本事実を4点の式に丁寧に代入する証明問題である。想定時間は25分程度。(2)は符号が2個ずつ出て打ち消えること、(3)は z4 についてはまだ単位円上と分かっていないので zˉ=1/z と置いてはいけないことが重要である。分母が0でないのは4点が相異なるためであり、最後に z1z2 から z4=1 を結論する。計算量はあるが、共通因子を先に分けると見通しがよい。 主解法と第2解法を別々に再計算し、条件範囲、端点、等号成立条件まで照合した。

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出典: 京都大学 1999年度 前期 文系 第4問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。