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京都大学 1986年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

座標平面の原点をOとし,
OA=(11)
OB=(11)とする.
またαβは2つの実数とする.
任意の点Pに対しベクトルOPOAへの正射影をOP1
(すなわち点P1PからOAを通る直線へおろした垂線の足),
OPOBへの正射影をOP2とし,
一次変換fα,β
fα,β(OP)=αOP1+βOP2によって定める.

一次変換gがどのようなαβに対しても
fα,βg=gfα,β(は変換の合成を表す)
となるための必要十分条件は,
あるαβに対してg=fα,βとなることである.
これを証明せよ.

難易度7/ 10計算量5/ 10目安26

行列ベクトル ベクトル成分計算必要十分条件、計算整理

方針

直交する OA,OB 方向を基底とする。十分性を成分で確認し、必要性では f1,0,f0,1 との可換性だけで g が二方向を混ぜられないことを示す。

解答

e1=OA,e2=OB とする。両者は直交し、任意のベクトルは se1+te2 と一意に書ける。またfα,β(se1+te2)=αse1+βte2.g=fα,β なら二方向を別々に伸縮するだけなので、任意の fα,β と可換である。

逆に全ての fα,β と可換とする。g(e1)=ue1+ve2 とおく。f1,0 との可換性を e1 に適用するとue1=f1,0(g(e1))=g(e1)なので v=0 である。同様に f0,1e2 に適用すると g(e2)=βe2 となる。よってある α,β に対しg(se1+te2)=αse1+βte2=fα,β(se1+te2).必要十分性が示された。

別解

解法2(符号を反転する変換を使う)

方針

f1,1OA 方向を保ち OB 方向の符号を反転する。これと可換する一次変換は二方向を混ぜられないことを、像の係数比較で示す。

解答

h=f1,1 とする。するとh(e1)=e1,h(e2)=e2.全ての fα,β と可換する g は特に h と可換する。g(e1)=ue1+ve2 とおくとh(g(e1))=ue1ve2,g(h(e1))=ue1+ve2.よって v=0 である。同様に g(e2)=pe1+qe2 へ適用すると p=0 となる。したがってg(e1)=αe1,g(e2)=βe2であり、一次性から g=fα,β である。逆向きは二方向の係数を順に掛けるだけなので直ちに成り立つ。

総評

難易度7、計算量5。目安時間は26分である。OA,OB が直交することを最初に確認する。必要性では「全ての α,β」のうち射影2個または符号反転1個を選び、二方向の混合係数が0になることを明示する。行列式は不要である。

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出典: 京都大学 1986年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。