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京都大学 1986年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

同一平面上に2つの三角形ABCABCがあり,
それぞれの外接円の半径は共に1であるとする.
この2つの外接円の中心を結ぶ線分の中点をM
線分AABBCCの中点をそれぞれPQRとする.

(1) MP1MQ1MR1となることを示せ.

(2) もしPQRが鋭角三角形でその外接円の半径が1となるならば,
Mはこの外接円の中心と一致することを示せ.
さらにこのときABCABCPQRはすべて合同となることを示せ.

難易度8/ 10計算量6/ 10目安34

ベクトル図形と方程式 ベクトル成分計算円の性質必要十分条件

方針

二つの外心から対応頂点への単位ベクトルを取り、中点間ベクトルがその平均になることを使う。(2)は鋭角三角形の外心が内部にあることから正係数の関係を作る。

解答

(1) 外心を O,O とし、OA=u,OA=u とする。両者の長さは1でMP=u+u2.よって MP1 である。同様に MQ,MR1 となる。

(2) PQR の外心を原点とし、頂点の位置ベクトルを p,q,r とする。鋭角なので外心は内部にあり、正数 λ,μ,ν によりλp+μq+νr=0と書ける。M の位置ベクトルを m とすると、(1)から mp1=p である。もし m0 ならmpm22>0で、q,r にも同じことが成り立つ。上の正係数関係と矛盾するので m=0、すなわち M は外心である。

従って MP=MQ=MR=1 である。三角不等式の等号条件から u=u となり、対応する三本の半径ベクトルは三つの三角形で一致する。よって三角形は全て合同である。

別解

解法2(半径1の最小包含円)

方針

(1) の三つの不等式は、中心 M、半径1の円板が P,Q,R を含むことを意味する。鋭角三角形の最小包含円が外接円で一意であることを証明して中心を決める。

解答

(1) 中点公式と三角不等式により MP,MQ,MR1 を得る。

(2) 鋭角三角形の外心 U は内部にある。従って正数 λ,μ,νλUP+μUQ+νUR=0と書ける。半径1の円板が三頂点を含み、その中心を X とする。もし XU なら、三つの不等式 XP,XQ,XR1 を二乗するとUXUP,UXUQ,UXURが全て正となり、上の正係数和と矛盾する。よって半径1で三頂点を含む円の中心は U だけである。(1)の円板の中心 MU に一致する。

以後 MP=MQ=MR=1 なので、対応する二本の単位半径の平均の長さが1になる。等号条件より二本は同一方向であり、三組の対応辺が等しくなる。従って三三角形は合同である。

総評

難易度8、計算量6。目安時間は34分である。(1)は単位ベクトルの平均、(2)は鋭角条件から外心が内部にあることを使う。中心一致の後、三角不等式の等号条件まで戻って対応半径の方向一致を示す。

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出典: 京都大学 1986年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。