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京都大学 1988年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

実数abに対し,f(x)=x2+ax+bg(x)=f(f(x))とする.

(1) g(x)xf(x)xで割り切れることを示せ.

(2) g(p)=pかつf(p)pをみたす実数pが存在するような点(a,b)の範囲を図示せよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安25

関数方程式・不等式 式変形、判別式必要十分条件

方針

(1) 合成式を直接展開せず、f(f(x))f(x) に2次関数の差の因数分解を使う。(2) g(p)=p のうち固定点でない方は、因数分解で現れる第2因子の根である。この2次方程式の実根条件を調べ、判別式が0の境界では根が固定点へ重なることまで確認して、領域の境界を含めるかを決める。

解答

(1)

任意の実数 u,v に対してf(u)f(v)=(uv)(u+v+a)である。ここで u=f(x), v=x とするとg(x)x=f(f(x))x={f(f(x))f(x)}+{f(x)x}=(f(x)x)(f(x)+x+a)+(f(x)x)=(f(x)x)(f(x)+x+a+1)となる。したがって g(x)xf(x)x で割り切れる。

(2)

(1) より、g(p)=p かつ f(p)p であるためにはf(p)+p+a+1=0,f(p)p0を満たす実数 p が存在すればよい。第1式はp2+(a+1)p+a+b+1=0である。この2次方程式の判別式はD=(a+1)24(a+b+1)=a22a4b3である。

D>0 なら相異なる2実根をもつ。もしその根が f(p)p=0 も満たすなら、2式の差から 2p+a+1=0 となる。しかしこれは上の2次式の軸上の点なので、根になれるのは D=0 のときだけである。よって D>0 なら2根はいずれも固定点ではない。

D=0 のときの重根は p=(a+1)/2 であり、2式の差も0になるから f(p)=p である。したがって境界は除く。D<0 では実根がない。

以上より必要十分条件はb<a22a34=(a1)241である。すなわち、(a,b) 平面で次の破線の放物線より下側、境界を含まない領域である。

別解

解法2:2周期点の2点組

方針

条件を満たす点 p に対して q=f(p) とおくと、pqf(p)=qf(q)=p である。2式を引いて p+q+a=1 を得た後、p,q が同じ2次方程式の相異なる2根になることを示す。相異なる2実根の条件がそのまま求める領域になるので、固定点との重なりを別に処理せずに済む。

解答

(1)

f(f(x))f(x) に差の公式を用いるとf(f(x))f(x)=(f(x)x)(f(x)+x+a)である。両辺に f(x)x を加えればg(x)x=(f(x)x)(f(x)+x+a+1)となり、割り切れることが分かる。

(2)

g(p)=p かつ f(p)p とし、q=f(p) とおく。このときf(p)=q,f(q)=p,pqである。最初の2式を引くとqp=f(p)f(q)=(pq)(p+q+a)である。pq だから、両辺を pq で割ってp+q+a=1を得る。したがって q=a1p である。これを q=f(p) に代入するとp2+(a+1)p+a+b+1=0となる。q についても同じ式が成り立つので、p,q はこの2次方程式の相異なる2実根である。

逆に、この2次方程式が相異なる2実根 p,q をもてば、解と係数の関係から p+q=a1 である。よってf(p)=a1p=q,f(q)=pとなり、g(p)=p かつ f(p)=qp が成立する。

したがって必要十分条件は、上の2次方程式の判別式が正であること、すなわちa22a4b3>0である。整理すると、求める領域はb<(a1)241であり、境界は含まない。

総評

難度6、計算量5で、目安は25分。得点の中心は、4次式を展開せず f(f(x))f(x) をはさんで因数を作ることと、判別式が0の境界では2周期点が固定点へ重なることの確認である。図示では放物線の頂点 (1,1)、下側、境界を含まないことをそろえて書きたい。解法2のように pf(p) を2点組として見ると、相異なる2実根という条件に直結する。展開計算だけで境界の扱いを曖昧にするのが典型的な失点である。

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出典: 京都大学 1988年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。