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京都大学 1989年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

高さ10mの円錐形の内部をもつタンクがあり,円錐の底面が下側にあって水平であるように置かれている.

タンク内の水位(水の深さ)がym(y<10)のときには(10y)l/の速度で注水することにする.

タンクが空のときに注水を始めて,9時間後に水位が2mになった.タンクに水が一杯になるのは,あと何時間後か.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安18

微分積分 体積計算文字消去定積分評価

方針

水深を y とし、水面の面積を円錐の相似から C(10y)2 と表す。体積の増加は dV/dydy/dt の積であり、注水速度は 10y に比例して与えられているので、dt/dy=C(10y) の形になる。空から水深 y までの時間を積分で表し、9時間で y=2 という条件から定数 C を決める。満水 y=10 までの総時間を求め、すでに経過した9時間を引く。

解答

水深を y m とする。円錐は底面が下側にあるので、水面の半径は、頂点までの残りの高さ 10y に比例する。したがって水面の面積は C(10y)2 と書ける。ただし C はタンクの大きさと単位換算を含む正の定数である。

水の体積を V、時間を分単位で t とする。水深が y から少し増えるときの体積の増加率は水面の面積であるから dVdy=C(10y)2 である。また、注水速度は問題文より dVdt=10y である。したがって dVdt=dVdydydt より C(10y)2dydt=10y である。y<10 なので 10y>0 であり、dtdy=C(10y) を得る。

空の状態、すなわち y=0 から水深 y になるまでの時間は 0yC(10u)du=C(10yy22) 分である。

9時間後、すなわち 540 分後に水位が 2 m になったので 540=C(102222)=C(202)=18C である。よって C=30 である。

満水は y=10 のときである。空から満水までの時間は 30(10101022)=30(10050)=1500 分である。これは 150060=25 時間である。

すでに9時間経過しているので、満水になるのはあと 259=16 時間後である。

別解。微分記号を使わずに、薄い水の層で考えてもよい。水深 y の近くで厚さ Δy だけ水位を上げるには、必要な水量は (10y)2Δy に比例する。一方、注水速度は 10y に比例するから、必要時間は (10y)Δy に比例する。したがって時間は (10y)dy に比例し、上と同じ計算になる。

総評

相似と微分を使う水槽問題で、18分程度が目安である。底面が下側、頂点が上側なので、水面の半径が y ではなく 10y に比例する点が最も重要である。タンクの底面半径や単位換算は全て定数 C にまとめられ、9時間で2mという条件で消去できる。満水までの総時間を求めた後、問題が聞いているのは「あと何時間後か」なので、すでに経過した9時間を引くところまで忘れないようにしたい。

冊子PDFで見る京大の微分の問題で問題集を作る

出典: 京都大学 1989年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。