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京都大学 1990年度 後期日程 第2次学力試験文系(後期)数学 第5問

平面上に2つの円C,C′がある.1次変換fは逆変換をもち,かつCをC′にうつしている.

(1) lをC上の1点Pにおける接線とする.
このときlのfによる像l′は点f(P)におけるC′の接線である.
この理由を述べよ.

(2) AをCの中心とすれば,f(A)はC′の中心となる.この理由を述べよ.

難易度5/ 10計算量3/ 10目安12分

行列、図形と方程式 必要十分条件、対称性の利用、図形的解釈

方針

逆変換を持つ1次変換は、点と直線の交わり方を一対一に保ち、さらに中点を中点へ移す。(1)は「接線が円とただ一つの共有点を持つ」ことを像に移す。(2)は円の中心に関する点対称性を像に移し、円の点対称の中心が一意であることを使う。

解答

(1)

f は逆変換を持つので一対一であり、直線を直線へ移す。接線 l と円 C の共有点は P だけである。もし l′=f(l) と C′=f(C) が f(P) 以外の点 Y も共有すれば、f−1(Y) は l と C の P 以外の共有点になり矛盾する。したがって l′ と C′ の共有点は f(P) だけであり、l′ は C′ の f(P) における接線である。

(2)

X を C 上の任意の点とすると、中心 A に関して反対側の点 X′=2A−X も C 上にある。1次変換は和と定数倍を保つのでf(X′)=2f(A)−f(X).よって C′ は f(A) に関して点対称である。円を点対称に移して不変にする点はその中心だけであるから、f(A) は C′ の中心である。

総評

目安は12分。計算問題ではなく、逆変換が保証する一対一性と、1次変換が中点を保つことを言葉で正確に使う論証問題である。(1)で「直線が直線に移る」だけでは接線性の証明にならない。共有点が一つであることまで逆像を使って示す。

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出典: 京都大学 1990年度 後期 文系・理系 第5問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。