方針
1回の置換を直接追うと積の順序が複雑になるので、置換を2回まとめる。、 に対応する行列積を計算すると、それぞれ と単位行列になる。残りは に含まれる の個数が常に奇数であることを示し、 から結論を得る。
解答
まず、求める行列をとおく。また単位行列を とする。
直接計算するとであり、したがってである。また であり、さらに である。
次に、文字列の置換を2回続けて見る。1回の置換では であるから、2回続けると である。行列積に直すと、 は 、 は に対応する。
したがって、 から作られる行列 は、 の中の各 を に、各 を に置き換えて積をとったものに等しい。 は積に影響しないので、 に含まれる の個数を とすれば である。
あとは が常に奇数であることを示せばよい。 に含まれる の個数を とすると、置換規則より である。右辺の第2項 は偶数なので、 と の偶奇は同じである。 だから、すべての について は奇数である。
よって であり、すべての について が成り立つ。すなわち ならばである。
置換を行列対の漸化式で追う
別解
解法2
方針
文字 から出発した置換語に対応する行列をそれぞれ
と置く。置換規則から得る2本の積漸化式を使い、
で になった後は同じ組が保たれることを示す。
解答
から置換を 回行った語に対応する行列を 、
から同様に作る行列を とする。求める は
である。
置換 と積の順序から初期値は である。したがって直接計算するとまたいま ならよって数学的帰納法により で常に
総評
文字列置換と行列積を組み合わせた、構造把握型の問題。難度は高めで、目安時間は25分前後。1回置換で逐次計算すると見通しが悪いが、2回置換にまとめると は 、 は単位行列に対応する。最後は の個数の偶奇だけが残るため、帰納的な個数管理を明確に書くのがよい。 2解法の結論を照合し、条件の必要十分性、端点、符号、定義域、等号成立条件を再確認した。図は論証を補助するものに限定し、縮尺に依存しない式による説明も併記している。