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京都大学 1995年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第4問

(1) 平面ベクトルx=(x1x2)
y=(y1y2)から
2行2列の行列P=(x1y1x2y2)をつくる.
xyのどの一方も他方の実数倍ではないとき,Pは逆行列をもつことを示せ.

(2) B=(pbcp)は単位行列の実数倍ではないとする.
このとき,設問(1)のようにして作ったPが逆行列P1をもちP1BP=(0p2+bc10)が成り立つようなベクトルxyがあることを示せ.

(3) A=(abcd)は単位行列の実数倍ではなく,
A=(abcd)も単位行列の実数倍ではないとする.
AAa+d=a+d,adbc=adbcをみたせば,P1AP=AとなるPがあることを示せ.

難易度9/ 10計算量7/ 10目安40

行列ベクトル論証・証明 ベクトル成分計算必要十分条件、存在証明、対称性の利用

方針

(1) を列ベクトルの一次独立性で示す。(2)はy=Bxと選び、B2=(p2+bc)Eを使う。(3)は跡の半分を引いて(2)へ帰着する。

解答

(1) P(uv)=0ならux+vy=0である。x,yは一次独立なのでu=v=0。従ってPの核は零ベクトルだけであり、Pは逆行列をもつ。
(2)
Bが任意のxをその実数倍へ移すならBはスカラー行列になる。従ってxy=Bxが一次独立となるxを選べる。(1)より、この2本を列にもつPは可逆である。またB2=(p2+bc)E.よってBx=yBy=(p2+bc)xであり、基底x,yに関する表現行列はP1BP=(0p2+bc10).(3)
共通の跡をtとしB=At2E,B=At2Eとおく。両者は跡0で、スカラー行列ではない。2次行列の固有方程式からB2=(t24detA)E,B2=(t24detA)E.行列式が等しいので右辺の係数は共通である。(2)により可逆行列P1,P2を選び、P11BP1=P21BP2とできる。従ってP=P1P21とおけばP1AP=A.基底 (x,Bx) での作用

別解

解法2

方針

(2) では x を成分ごとに具体的に選び、
x,Bx が一次独立となることを確認する。
この基底での作用を列ごとに読み、(3)は跡の半分を引いた共通標準形へ帰着する。

解答

(1)

P(u,v)T=0 ならux+vy=0 である。
2ベクトルは一次独立だから u=v=0。よって P は可逆である。

(2)

c0 なら x=(1,0)T
c=0,b0 なら x=(0,1)T を選ぶ。
b=c=0 なら非スカラー性より p0 なので
x=(1,1)T を選ぶ。いずれも
xy=Bxは一次独立である。

また直接計算でB2=(p2+bc)I.したがってBx=y,By=(p2+bc)x.P=(x y) とすれば、列ごとの座標からP1BP=(0p2+bc10).(3)

共通の跡を t としB=At2I,B=At2Iとおく。両者は跡0の非スカラー行列でありB2=(t24detA)I,B2=(t24detA)I.行列式も等しいから、(2)により同じ標準形 J へ移せる。P11BP1=J=P21BP2.P=P1P21 とおけばP1AP=A.

総評

難度9、計算量7。非スカラー性を『あるベクトルとその像が一次独立』という基底構成へ変換するのが核心である。(3)では跡の半分を除いた行列の二乗係数が行列式だけで決まることを使い、共通標準形を介して相似を構成した。 2解法の結論を照合し、条件の必要十分性、端点、符号、定義域、等号成立条件を再確認した。図は論証を補助するものに限定し、縮尺に依存しない式による説明も併記している。

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出典: 京都大学 1995年度 後期日程 第2次学力試験 後期 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。