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京都大学 1994年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

a+b+c=0を満たす実数abcについて,
(a+b+c)22(a2+b2+c2)が成り立つことを示せ。
また,ここで等号が成り立つのはどんな場合か。

難易度4/ 10計算量3/ 10目安8

方程式・不等式論証・証明 場合分け、必要十分条件不等式評価

方針

和が0である3数を正のものと負のものに分ける。符号が異なる1数の絶対値は、残る2数の絶対値の和になるので、絶対値を外して差を計算する。等号条件は残る2数の積が0となる場合まで戻して判定する。

解答

a=b=c=0 のときは等号が成り立つ。以下、少なくとも1つは0でないとする。a+b+c=0 だから、3数がすべて同符号になることはない。文字を入れ替えて、a,b0, c0 としてよい。このとき c=a+b である。

したがって(a+b+c)22(a2+b2+c2)=2(a+b)22{a2+b2+(a+b)2}=4ab0である。よって所要の不等式が成り立つ。

上の差が0となるのは ab=0 のときである。これは、もとの3数のうち少なくとも1つが0であることと同値である。実際、例えば c=0 なら b=a であり、両辺はともに 4a2 となる。したがって等号成立条件は、a,b,c の少なくとも1つが0であることである。

別解

解法2

方針

絶対値が最大の数に注目する。和が0なら、その絶対値は残る2数の絶対値の和になり、二乗和は固定された和のもとで直ちに評価できる。

解答

3数のうち絶対値が最大のものを、文字を入れ替えて c とする。
a+b+c=0 であり、3数が同符号になることはないから、c は残る2数と
反対符号に選べる。よってc=a+b.x=a, y=b とおけば c=x+y である。したがって(a+b+c)2=4(x+y)2であり、2(a2+b2+c2)=2{x2+y2+(x+y)2}=4(x2+xy+y2).両者の差は4(x+y)24(x2+xy+y2)=4xy0.これで不等式が示された。

等号は xy=0、すなわち a,b の少なくとも一方が0のときである。
文字の入れ替えを戻せば、等号成立条件はa,b,c の少なくとも1つが0である。

総評

符号整理が核心の標準的な証明問題。目安は8分。和が0であることから「一方の絶対値が他方2つの和」と置ける点、差を4倍の積まで正確に整理する点が主な得点箇所である。等号条件を積が0から元の3変数へ戻すことを忘れない。

符号分けと最大絶対値の2経路で等号条件まで確認した。等号は3数の少なくとも1つが0の場合に限る。

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出典: 京都大学 1994年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。