Evolton

京都大学 1996年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

nは自然数とする.

(1) すべての実数θに対しcosnθ=fn(cosθ),sinnθ=gn(cosθ)sinθをみたし,係数がともにすべて整数であるn次式fn(x)n1次式gn(x)が存在することを示せ.

(2) fn(x)=ngn(x)であることを示せ.

(3) pを3以上の素数とするとき,fp(x)p1次以下の係数はすべてpで割り切れることを示せ.

難易度8/ 10計算量6/ 10目安25

三角関数数列整数微分 数学的帰納法漸化式の変形恒等式比較、合同式

方針

加法定理からfn,gnの整数係数漸化式を作り、次数も帰納する。(2)は合成関数の微分、(3)は導関数の係数比較とfp(0)を使う。

解答

(1)
f1(x)=x,g1(x)=1とする。加法定理から、x=cosθとしてfn+1(x)=xfn(x)(1x2)gn(x),gn+1(x)=fn(x)+xgn(x)と定めれば、cos(n+1)θ=fn+1(cosθ)sin(n+1)θ=gn+1(cosθ)sinθとなる。右辺は整数係数で、最高次項を調べるとfn+1n+1次、gn+1n次である。従って数学的帰納法により存在する。
(2)
1<x<1x=cosθ (0<θ<π)とおく。fn(cosθ)=cosnθθで微分するとfn(cosθ)sinθ=nsinnθ=ngn(cosθ)sinθ.sinθ>0なのでfn(x)=ngn(x)1<x<1で成り立つ。両辺は多項式だから、恒等的に成り立つ。
(3)
fp(x)=j=0pcjxjとする。(2)よりj=1pjcjxj1=pgp(x).従って1jp1ではpjcjを割る。pは素数でjを割らないため、pcjを割る。またpは奇数なのでc0=fp(0)=cospπ2=0.よってp1次以下の係数はすべてpで割り切れる。

別解

解法2

方針

ド・モアブルの定理を二項展開し、偶数次項と奇数次項を分けることで
fn,gn を明示的に構成する。(2)は三角関数を微分し、
(3)は導関数の係数比較と奇数 p の定数項を用いる。

解答

(1)

ド・モアブルの定理(cosθ+isinθ)n=cosnθ+isinnθを展開する。x=cosθsin2θ=1x2 とするとfn(x)=2rn(1)rnC2rxn2r(1x2)r,gn(x)=2r+1n(1)rnC2r+1xn2r1(1x2)r.いずれも整数係数である。最高次係数はそれぞれ2rnnC2r=2n1,2r+1nnC2r+1=2n1だから、次数はそれぞれ n,n1 である。

(2) fn(cosθ)=cosnθを微分するとfn(cosθ)sinθ=nsinnθ=ngn(cosθ)sinθ.0<θ<πsinθ0 だから
fn(x)=ngn(x)1<x<1 で成り立つ。
両辺は多項式なので恒等式である。

(3) fp(x)=j=0pcjxjとおく。(2)よりj=1pjcjxj1=pgp(x).1jp1 では pj なので pcj である。
また p は奇数だからc0=fp(0)=cospπ2=0.よって p1 次以下の係数はすべて p で割り切れる。

総評

難度8、計算量6。存在・微分恒等式・係数の整除性が一続きになっている。微分で得た関係を開区間から多項式恒等式へ延長し、定数項を別に処理した。係数jが素数pと互いに素である範囲を明示し、最高次係数を主張対象から除外している。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。

冊子PDFで見る京大の三角関数の問題で問題集を作る

出典: 京都大学 1996年度 後期 理系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。