方針
加法定理からfn,gnの整数係数漸化式を作り、次数も帰納する。(2)は合成関数の微分、(3)は導関数の係数比較とfp(0)を使う。
解答
(1)
f1(x)=x,g1(x)=1とする。加法定理から、x=cosθとしてfn+1(x)gn+1(x)=xfn(x)−(1−x2)gn(x),=fn(x)+xgn(x)と定めれば、cos(n+1)θ=fn+1(cosθ)、sin(n+1)θ=gn+1(cosθ)sinθとなる。右辺は整数係数で、最高次項を調べるとfn+1はn+1次、gn+1はn次である。従って数学的帰納法により存在する。
(2)
−1<x<1でx=cosθ (0<θ<π)とおく。fn(cosθ)=cosnθをθで微分すると−fn′(cosθ)sinθ=−nsinnθ=−ngn(cosθ)sinθ.sinθ>0なのでfn′(x)=ngn(x)が−1<x<1で成り立つ。両辺は多項式だから、恒等的に成り立つ。
(3)
fp(x)=∑j=0pcjxjとする。(2)よりj=1∑pjcjxj−1=pgp(x).従って1≦j≦p−1ではpがjcjを割る。pは素数でjを割らないため、pはcjを割る。またpは奇数なのでc0=fp(0)=cos2pπ=0.よってp−1次以下の係数はすべてpで割り切れる。
別解
解法2
方針
ド・モアブルの定理を二項展開し、偶数次項と奇数次項を分けることで
fn,gn を明示的に構成する。(2)は三角関数を微分し、
(3)は導関数の係数比較と奇数 p の定数項を用いる。
解答
(1)
ド・モアブルの定理(cosθ+isinθ)n=cosnθ+isinnθを展開する。x=cosθ,sin2θ=1−x2 とするとfn(x)=2r≦n∑(−1)rnC2rxn−2r(1−x2)r,gn(x)=2r+1≦n∑(−1)rnC2r+1xn−2r−1(1−x2)r.いずれも整数係数である。最高次係数はそれぞれ2r≦n∑nC2r=2n−1,2r+1≦n∑nC2r+1=2n−1だから、次数はそれぞれ n,n−1 である。
(2) fn(cosθ)=cosnθを微分すると−fn′(cosθ)sinθ=−nsinnθ=−ngn(cosθ)sinθ.0<θ<π で sinθ=0 だから
fn′(x)=ngn(x) は −1<x<1 で成り立つ。
両辺は多項式なので恒等式である。
(3) fp(x)=j=0∑pcjxjとおく。(2)よりj=1∑pjcjxj−1=pgp(x).1≦j≦p−1 では p∤j なので p∣cj である。
また p は奇数だからc0=fp(0)=cos2pπ=0.よって p−1 次以下の係数はすべて p で割り切れる。
総評
難度8、計算量6。存在・微分恒等式・係数の整除性が一続きになっている。微分で得た関係を開区間から多項式恒等式へ延長し、定数項を別に処理した。係数jが素数pと互いに素である範囲を明示し、最高次係数を主張対象から除外している。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。
冊子PDFで見る京大の三角関数の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 1996年度 後期 理系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。