方針
n回後の青枚数を確率変数Bnとする。現在の枚数を条件に、次回青が増える確率を求めて期待値の漸化式を作る。
解答
n回の試行後の青カード枚数をBnとする。全カードはn+6枚である。Bn=bであるとき、次の試行で青を引く確率はb/(n+6)だからE(Bn+1∣Bn=b)=b+n+6b=n+6n+7b.両辺の期待値を取るとE(n+1)=n+6n+7E(n).初めは青が3枚なのでE(0)=3である。従ってE(n)=3⋅67⋅78⋯n+5n+6=3⋅6n+6=2n+6.よって求める期待値はE(n)=2n+6.
別解
解法2
方針
各回に新しく加わるカードの色だけに注目する。試行直前の青の割合の条件付き期待値が初期の青割合 1/2 のまま保たれることを帰納法で示す。従って各回に加わるカードが青である確率は常に 1/2 であり、青の増加枚数の期待値を線形性で足す。
解答
初めの青カードの割合は63=21.j 回後の青カード枚数を Bj とする。次に加わるカードが青である条件付き確率はj+6Bjである。従ってE(Bj+1∣Bj)=Bj+j+6Bj.両辺を j+7 で割るとE(j+7Bj+1Bj)=j+6Bj.期待値を取ればE(j+7Bj+1)=E(j+6Bj).従って期待される青の割合はすべての段階で初期値 1/2 のままである。
ゆえにn+6E(n)=21であり、E(n)=2n+6.これは「各回に新しく加わる1枚が青である確率の平均は 1/2」であり、初めの3枚に期待される青の増分 n/2 を加える、と見ても同じである。
総評
難度5、計算量3。各段階で青を引く確率は青の現在枚数に比例するため、条件付き期待値が一次式になる。確率分布全体を求めず、期待値の線形性で閉じた漸化式を作り、望遠積で一般項を得た。
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出典: 京都大学 1997年度 後期 理系 第5問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。