方針
が出る確率を、が出る確率をとおく。まずAとBそれぞれについて、2回目までの和ごとの行動を分け、最終得点の確率分布を表にする。期待値はその表から直接計算し、を因数分解して条件を出す。(2)では期待値ではなく勝つ確率を比較するので、同じ分布表からを独立な2人の得点の大小比較として計算する。を満たすがとなるを1つ示せば、命題は否定できる。
解答
(1)
が出る確率を とおく。
Aは、2回目までの合計がのときだけ3回目を行う。したがってAの得点分布は次のようになる。実際、最初の2回がなら3回目を行い、3回目がなら得点3、なら得点5である。最初の2回の和がまたはならそこで止まる。
よってである。
Bは、2回目までの合計がまたはのとき3回目を行う。ただし3回行って合計がまたはなら得点は0である。Bの得点分布はである。ここで得点0は、最初の2回がまたは、3回目がの場合である。
したがってである。ゆえにとなる。よりだから となる条件は である。
(2)
AとBの得点は独立であり、上の分布表から勝率を比較できる。Aの得点がBの得点より大きい場合を足し、Bの得点がAの得点より大きい場合を引くとこれをで整理すると である。
ここで とする。このときなので、(1)より である。一方、 であるから すなわち である。
したがって とはいえない。
別解
解法2
方針
A・Bの得点分布を確率母関数として一つの式にまとめる。期待値は形式的に微分して を代入し、勝率差は2つの分布の係数を得点順に並べた大小比較表で計算する。作戦ごとの経路を逐一文章で追う解法1とは別に、分布を代数的な対象として処理する。
解答
3が出る確率を とする。得点 の確率を の係数にした式を作ると、AとBについて各係数の和は1であり、これが得点分布を表す。
(1)
期待値はだから従って より(2)
勝率差は、Aの各得点について「それより小さいBの確率」から「それより大きいBの確率」を引いて重み付けすればよい。得点順に係数を代入して整理するとここでを取ると である一方、なので である。従って
総評
期待値の大小と勝率の大小が一致しないことを、分布表から実際に示す確率問題である。難度は高く、目安時間は30分前後。まず各作戦の「3回目を引く条件」と「3回引いたときの0点規則」を混同せず、得点分布を正しく作ることが最重要である。(2)では期待値の式を流用できないので、独立な2人の得点の大小比較を改めて行う必要がある。反例はのようにの範囲内で勝率差が負になる値を選べば十分である。