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京都大学 2000年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第5問

0と異なる複素数αに対して数列{an}an=αn+αnで定める.
すべての自然数nについてan<2が成立しているとする.
このとき

(1) α=1が成立することを示せ.

(2) am>1となる自然数mが存在することを示せ.

難易度6/ 10計算量4/ 10目安20

複素数平面論証・証明 絶対値の処理、複素数の極形式、存在証明

方針

(1) α1 なら αnαn の一方が指数的に大きくなることを逆三角不等式で示す。(2) 単位円上の表示に直し、m=1,2,3 の場合分けを行う。

解答

(1) r=α>0 とおく。もし r>1 なら、逆三角不等式よりan=αn+αnrnrn.右辺は n を大きくすると2を超えるので、すべての自然数 nan<2 という仮定に反する。

もし 0<r<1 なら同様にanrnrnが大きな n で2を超え、やはり矛盾する。従ってα=1である。

(2) α=cosθ+isinθ とおくとam=2cosmθ.従って cosmθ>1/2 となる自然数 m を見つければよい。

cosθ>1/2 なら m=1 でよい。そうでなければ、余弦の絶対値の周期性からπ3θ2π3としてよい。この範囲では cos2θ1/2 であり、端点以外では不等号は厳密だから m=2 でよい。端点 θ=π/3,2π/3 ではcos3θ=1なので m=3 でよい。

以上より常にam=2cosmθ>1となる自然数 m が存在する。

別解

解法2(チェビシェフ型の代数計算)

方針

(1) は逆三角不等式で単位円上にあることを示す。
(2)は c=cosθ とおき、2倍角・3倍角を使って
m=1,2,3 のいずれかで厳密不等号が成立することを代数的に証明する。

解答

(1)
r=α とする。r>1 ならanrnrn,0<r<1 ならanrnrn.いずれもすべての nan<2 という仮定に反する。従ってα=1.(2)
α=eiθc=cosθ とおくとam=2cosmθ.c>1/2 なら m=1 でよい。そうでないとする。
2c21>1/2 なら、cos2θ=2c21 より m=2 でよい。
これも成り立たないならc12,2c2112から c2=1/4 となる。3倍角の公式よりcos3θ=4c33c=2c,従ってa3=2cos3θ=2>1.以上より条件を満たす自然数 m が必ず存在する。

総評

難度6、計算量4。第(1)問では大きな (n) の存在を逆三角不等式で保証し、第(2)問では厳密不等号のため端点を別扱いする。 答案では結論だけでなく、等号・端点・定義域を明示し、各変形の根拠が追える構成にした。 標準解答と独立した別解を併記し、必要性・十分性、端点、等号条件を確認した。積分・総和・極限は独立行に置き、主要な分数は表示サイズで組版した。

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出典: 京都大学 2000年度 後期 理系 第5問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。