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京都大学 2000年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

三角形ABCにおいて辺BCCAABの長さをそれぞれabcとする.
この三角形ABCは次の条件(イ),(ロ),(ハ)を満たすとする.

(イ) ともに2以上である自然数pqが存在して,a=p+qb=pq+pc=pq+1となる.

(ロ) 自然数nが存在してabcのいずれかは2nである.

(ハ) ABCのいずれかは60である.

このとき次の問に答えよ.

(1) ABCを大きさの順に並べよ.

(2) abcを求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

整数三角関数 三角比の利用、素因数分解、場合分け

方針

まず辺の大小を決める。bc=p1>0ca=(p1)(q1)>0 から a<c<b であり、角も A<C<B となる。この大小関係と三角形の内角和から、60度になり得る角は C だけである。そこで余弦定理を C=60 に適用し、p=q1 を導く。最後に a=2q1b=q21c=q2q+1 のうち2のべき乗になれるものを調べ、隣り合う2つの2のべき乗の差が2であることから q を決める。

解答

(1) a=p+q,b=pq+p,c=pq+1 であり、p,q2 である。

まず bc=(pq+p)(pq+1)=p1>0 である。また ca=(pq+1)(p+q)=pqpq+1=(p1)(q1)>0 である。したがって a<c<b である。

三角形では、長い辺に向かい合う角ほど大きい。辺 a,b,c はそれぞれ A,B,C の向かい側であるから A<C<B である。

(2)
(1)より A<C<B である。もし A=60 なら、CB はともに 60 より大きくなり、内角和が 180 を超えてしまう。もし B=60 なら、AC はともに 60 より小さくなり、内角和が 180 に届かない。したがって C=60 でなければならない。

余弦定理を C=60 に対して用いると c2=a2+b22abcos60=a2+b2ab である。よって a2+b2abc2=0 である。ここに a=p+qb=pq+pc=pq+1 を代入すると (p1)(q+1)(pq+1)=0 となる。p2q+1>0 であるから pq+1=0 すなわち p=q1 である。

これを a,b,c に代入すると a=2q1,b=q21,c=q2q+1 となる。q2 なので a=2q1 は1より大きい奇数であり、2のべき乗ではない。また c=q(q1)+1 で、q(q1) は偶数だから c も1より大きい奇数である。したがって c も2のべき乗ではない。

よって2のべき乗である可能性があるのは b=q21=(q1)(q+1) だけである。もし q が偶数なら、q21 は1より大きい奇数となり不可能である。したがって q は奇数であり、q1q+1 はともに偶数である。

(q1)(q+1) が2のべき乗であるためには、q1q+1 がともに2のべき乗でなければならない。この2数の差は2である。差が2である2つの2のべき乗は 2,4 に限られる。実際、2r2s (r<s) の差が2なら、2r(2sr1)=2 であり、r=1sr=1 となる。

したがって q1=2,q+1=4 であり、q=3,p=2 である。よって (a,b,c)=(p+q,pq+p,pq+1)=(5,8,7) である。

別解

解法2(完全因数分解と2進条件)

方針

3辺の差を因数分解して角の順序を確定し、60 となる角を絞る。
余弦定理から得る p,q の式も完全に因数分解する。
最後は、差が2である2個の2のべき乗を分類して整数条件を仕上げる。

解答

(1)
まずa=p+q,b=pq+p,c=pq+1についてbc=p1>0,ca=(p1)(q1)>0だから a<c<b、従ってA<C<Bである。

(2)
A=60 なら C,B
ともに 60 より大きく、内角和が 180 を超える。
B=60 なら A,C はともに
60 より小さく、内角和が 180 に届かない。
よってC=60.余弦定理よりc2=a2+b2ab.3辺の式を代入して因数分解すると(p1)(q+1)(pq+1)=0.p,q2 だからp=q1.従ってa=2q1,b=(q1)(q+1),c=q(q1)+1.a,c は1より大きい奇数なので、2のべき乗ではない。
従って b が2のべき乗である。q が偶数なら b は奇数となるため、
q は奇数である。すると q1,q+1 はともに偶数であり、
積が2のべき乗なので各因子も2のべき乗でなければならない。q1=2r, q+1=2s (r<s) と書くと2r(2sr1)=2.括弧内は奇数だから r=1、さらに 2sr1=1 より s=2 である。
従ってq=3,p=2,ゆえに(a,b,c)=(5,8,7)である。

総評

難度は10段階中7、計算量は10段階中6。目安は25分。辺の大小から角の大小を先に決めることで、60度の候補を C だけに絞れるのが大きい。余弦定理の代入では (p1)(q+1)(pq+1)=0 まで丁寧に整理し、p=q1 を得た後に2のべき乗条件を使う。よくあるミスは、ac が奇数である確認を省くこと、また (q1)(q+1) が2のべき乗なら各因子も2のべき乗であるという素因数の確認を曖昧にすることである。 標準解答と独立した別解を併記し、必要性・十分性、端点、等号条件を確認した。積分・総和・極限は独立行に置き、主要な分数は表示サイズで組版した。

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出典: 京都大学 2000年度 前期 文系 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。