方針
各頂点を方向ベクトル に射影し、その射影量を比較する。仮定 は、どの2頂点も射影量が等しくないことを意味する。したがって射影量が最大の頂点を選べば、その頂点から他の頂点へ向かうベクトルの 方向成分はすべて負になる。
解答
原点を とし、各頂点 についてとおく。これは、頂点 が 方向にどれだけ進んだ位置にあるかを表す量である。 のときである。問題の仮定より右辺は0でないから、 はすべて相異なる。
有限個の実数には最大値があるので、 のうち最大のものを とする。このとき なら であり、したがって である。
よって、この は任意の について を満たす。したがって条件を満たす頂点が存在する。
別解
解法2(垂直な平面を動かす)
方針
に垂直な平面を の向きへ平行移動する。
仮定により2頂点へ同時に触れないので、最後に触れる頂点は一意である。
他の頂点との前後関係を内積で表す。
解答
なら仮定に反するので である。
に垂直な平面を、正八面体の6頂点を通過するように
の向きへ平行移動する。
異なる2頂点 が同じ平面上にあるなら、
は に垂直となりとなる。これは仮定に反する。したがって各頂点を通過する時刻はすべて異なる。
最後に平面が通過する頂点を とする。他の任意の頂点 は
より 方向の手前にあるためよって条件を満たす頂点 が存在する。正八面体の形そのものより、
頂点が有限個で射影値がすべて異なることが本質である。
総評
3次元図形に見えるが、本質は有限個の実数の最大値を選ぶ存在証明である。難度はやや易しめ、計算量は少なく、目安時間は8〜10分。正八面体の具体的な座標を置く必要はない。仮定が「射影量がすべて異なる」ことを意味すると気づけるかが得点の分かれ目である。内積の符号は向きの判定なので、 と の対応を逆にしないよう注意したい。 2つの解法は標準的な答案手順と、別の構造から検算できる経路に分けた。必要性と十分性、場合分け、端点・等号条件を明示し、積分・総和・極限と主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。