方針
f′(x)=1/(1+x2) と f(1)=π/4 から法線を求める。囲まれる領域を、0≦x≦1 の曲線下と、法線が作る三角形に分けて積分する。
解答
(1) 微分積分学の基本定理よりf′(x)=1+x21.またf(1)=∫011+t2dt=4π.従って x=1 における接線の傾きは 1/2、法線の傾きは −2 である。求める法線はy−4π=−2(x−1),すなわちy=−2x+2+4πである。
(2) 法線の x 軸との交点はx=1+8πである。法線と曲線の差を h(x) とするとh′(x)=−2−1+x21<0,h(1)=0だから、x<1 では法線が曲線より上にあり、両者は x=1 以外では交わらない。従って求める面積は∫01f(x)dxと、底辺 π/8、高さ π/4 の三角形の面積との和である。
部分積分により∫01f(x)dx=[xf(x)]01−∫011+x2xdx=4π−21log2.また三角形の面積は21⋅8π⋅4π=64π2.よって求める面積は4π−21log2+64π2である。
別解
解法2(積分順序の交換)
方針
法線は微分で求める。面積の曲線部分は部分積分を使わず、
f(x) を二重積分と見て積分順序を交換する。残りは法線が作る三角形である。
解答
(1) f′(x)=1+x21,f(1)=4πなので、法線の傾きは −2 である。従ってy=−2x+2+4π.(2)
法線と x 軸の交点は x=1+π/8 である。
法線と曲線の差の導関数は−2−1+x21<0だから、両者の交点は x=1 の一点だけである。
曲線下の面積は、積分順序を交換して∫01f(x)dx=∫01∫0x1+t21dtdx=∫011+t21−tdt=4π−21log2.x=1 から法線の x 切片までの部分は、底辺 π/8、
高さ π/4 の三角形なので、その面積は21⋅8π⋅4π=64π2.従って求める面積は4π−21log2+64π2.
総評
難度6、計算量6。法線と曲線の交点が接点だけであることを単調性で確認してから、領域を曲線下と三角形に分ける。 答案では結論だけでなく、等号・端点・定義域を明示し、各変形の根拠が追える構成にした。 標準解答と独立した別解を併記し、必要性・十分性、端点、等号条件を確認した。積分・総和・極限は独立行に置き、主要な分数は表示サイズで組版した。
冊子PDFで見る京大の微分の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 2000年度 後期 理系 第6問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。