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京都大学 2002年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

a,b,c を実数とする.y=x3+3ax2+3bx,y=cのグラフが相異なる3つの交点を持つという.このとき a2>b が成立することを示し,
さらにこれらの交点の x 座標のすべては(a2a2b,a+2a2b)に含まれていることを示せ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安17

微分方程式・不等式 微分による最大最小、範囲評価、置換

方針

交点の x 座標は3次方程式 x3+3ax2+3bxc=0 の相異なる3実根である。3実根をもつなら、導関数は2つの相異なる実根をもつので、まず a2>b が従う。次に d=a2b, u=x+a と置くと、方程式は u33d2uC=0 の形になる。極大点 u=d と極小点 u=d の符号から 2d3<C<2d3 を得て、単調区間と u=±2d の符号を使い、3つの根がすべて 2d,2d に入ることを示す。

解答

F(x)=x3+3ax2+3bx とおく。y=F(x)y=c のグラフが相異なる3つの交点をもつということは、方程式 F(x)=c が相異なる3つの実数解をもつということである。

まず F(x)=3x2+6ax+3b=3{(x+a)2(a2b)} である。相異なる3つの実数解をもつ3次方程式では、解と解の間に導関数が0になる点がある。したがって F(x)=0 は相異なる2つの実数解をもつ必要がある。よって a2b>0 であり、a2>b が示された。

以下 d=a2b>0,u=x+a とおく。x=ua として F(x)c を整理すると、ある実数 C を用いて F(x)c=u33d2uC と書ける。そこで G(u)=u33d2uC とおく。求める3つの x 座標に対応する u は、G(u)=0 の相異なる3実根である。

導関数は G(u)=3u23d2=3(u+d)(ud) である。したがって G(,d) で増加,(d,d) で減少,(d,) で増加する。3つの実根をもつためには、極大値が正、極小値が負でなければならない。すなわち G(d)=2d3C>0,G(d)=2d3C<0 である。これより 2d3<C<2d3 を得る。

この不等式を用いて u=±2d での値を調べると、G(2d)=(8d3)+6d3C=2d3C<0 であり、G(2d)=8d36d3C=2d3C>0 である。 G(,d) で増加し、G(2d)<0<G(d) であるから、左側の根は (2d,d) にある。また (d,d) で減少し、G(d)>0>G(d) であるから、中央の根は (d,d) にある。さらに (d,) で増加し、G(d)<0<G(2d) であるから、右側の根は (d,2d) にある。

したがって3つの実根はすべて 2d<u<2d を満たす。u=x+a, d=a2b であるから、すべての交点の x 座標は a2a2b<x<a+2a2b に含まれる。

別解

解法2

方針

3つの交点の x 座標を a+u1,a+u2,a+u3 と置く。
変数を平行移動した3次式では u1+u2+u3=0 である。
解と係数の関係から3根の2乗和を求めると a2>b が直ちに従い、
他の2根が相異なることを使うだけで各 ui の鋭い上界も得られる。

解答

交点の x 座標を x1,x2,x3 としui=xi+a(i=1,2,3)とおく。x=ua と平行移動すると方程式はu3+3(ba2)uC=0の形になる。解と係数の関係よりu1+u2+u3=0,u1u2+u2u3+u3u1=3(ba2).したがってu12+u22+u32=6(a2b).3根は相異なり、左辺は0ではないから a2b>0、すなわち a2>b である。d=a2b とおく。

例えば u1 について、u2+u3=u1 であり
u2u3 だから2(u22+u32)>(u2+u3)2=u12.ゆえに3u12<2(u12+u22+u32)=12d2,u1<2d.u2,u3 にも同じ議論が使えるので、全根について ui<2d
xi=uia へ戻せばa2a2b<xi<a+2a2bが示される。

総評

難度は10段階中6、計算量は5。目安時間は17分。解法1は本番答案として再現しやすい標準方針、解法2は構造を別方向から確認する方針である。

3実根の存在から導関数の2実根を導く部分と、各根が開区間へ入る部分を分ける。平行移動後の定数を具体化しなくても、極値または解と係数の関係で完結する。

採点では、必要条件だけで止めず十分性・端点・小問番号を明示する。積分・総和・極限は独立行、分数は読みやすい表示寸法に統一し、問題固有の図は論理を補助する位置に置いた。

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出典: 京都大学 2002年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。