方針
行列の列ベクトルが張る集合を考える。第1の右辺はその集合に入り、第2の右辺は入らないので、列空間は平面全体ではなく、第1の右辺が張る直線になる。(2)は二つの右辺が平行でないことを2次行列式で判定する。
解答
(1) とおく。第1の方程式に解があるから は の一次結合である。第2の方程式に解がないから はその一次結合ではない。
もし が一次独立なら、任意の平面ベクトル、特に がその一次結合となり矛盾する。従って両列は一次従属である。また であり、 は両列の一次結合だから、両列が張る直線は が張る直線に一致する。従って はともに の実数倍である。
(2) (1)より、第2の方程式に解がないための条件は が の実数倍でないことである。これはと同値である。左辺は従ってすなわち逆にこの条件を満たすなら、例えば の第1列を 、第2列を零ベクトルとすれば、第1の方程式には という解があり、第2の右辺 は列の張る直線上にないので第2の方程式には解がない。従って上の条件は必要十分である。
別解
解法2(行列式と列の張る範囲で判定する)
方針
第2の方程式に解がないので は正則ではない。
一方、第1の右辺は零ベクトルでなく列の一次結合だから、列の張る範囲は
その右辺が張る直線に一致する。(2)は2つの右辺の行列式を調べる。
解答
とおく。
(1)
もし なら、任意の右辺に対しては解をもつ。
これは仮定に反するからしたがって の2本の列は一次従属である。
第1の方程式に解があるので は列の一次結合である。
しかも だから、少なくとも1本の列は零でなく、
2本の列が張る集合は が張る直線に一致する。
よって各列は の実数倍である。
(2)
第2の方程式に解がないための必要十分条件は、
が の実数倍でないことである。すなわちしたがって逆にこの条件のもとで の第1列を 、第2列を零列とすれば、
第1の方程式には解があり、第2の方程式には解がない。
よってこの条件は必要十分である。
総評
難度7、計算量5。想定時間は25分程度。階数という語を使わなくても、二列が平面全体を張るか直線だけを張るかで説明できる。(2)では必要条件だけで終わらず、実際に行列を1つ構成して十分性まで確認する。 2つの解法は標準的な答案手順と、別の構造から検算できる経路に分けた。必要性と十分性、場合分け、端点・等号条件を明示し、積分・総和・極限と主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。