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京都大学 2001年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第5問

A=(abcd)とする。連立方程式A(xy)=(s1s)には解が存在し、A(xy)=(45s)には解が存在しないとする。

(1) A の各列ベクトルは(s1s)の実数倍であることを示せ。

(2) この条件を満たす連立方程式を作れるための s の条件を求めよ。

難易度7/ 10計算量5/ 10目安25

行列方程式・不等式 必要十分条件ベクトル成分計算、存在証明

方針

行列の列ベクトルが張る集合を考える。第1の右辺はその集合に入り、第2の右辺は入らないので、列空間は平面全体ではなく、第1の右辺が張る直線になる。(2)は二つの右辺が平行でないことを2次行列式で判定する。

解答

(1) u=(ac),v=(bd),w=(s1s),t=(45s)とおく。第1の方程式に解があるから wu,v の一次結合である。第2の方程式に解がないから t はその一次結合ではない。

もし u,v が一次独立なら、任意の平面ベクトル、特に t がその一次結合となり矛盾する。従って両列は一次従属である。また w0 であり、w は両列の一次結合だから、両列が張る直線は w が張る直線に一致する。従って u,v はともに w の実数倍である。

(2) (1)より、第2の方程式に解がないための条件は tw の実数倍でないことである。これはdet(s41s5s)0と同値である。左辺はs(5s)4(1s)=s2+9s4.従ってs29s+40,すなわちs9+652,s9652.逆にこの条件を満たすなら、例えば A の第1列を w、第2列を零ベクトルとすれば、第1の方程式には (x,y)=(1,0) という解があり、第2の右辺 t は列の張る直線上にないので第2の方程式には解がない。従って上の条件は必要十分である。

別解

解法2(行列式と列の張る範囲で判定する)

方針

第2の方程式に解がないので A は正則ではない。
一方、第1の右辺は零ベクトルでなく列の一次結合だから、列の張る範囲は
その右辺が張る直線に一致する。(2)は2つの右辺の行列式を調べる。

解答

w=(s1s),t=(45s)とおく。

(1)

もし detA0 なら、任意の右辺に対してA(xy)=tは解をもつ。
これは仮定に反するからdetA=0.したがって A の2本の列は一次従属である。

第1の方程式に解があるので w は列の一次結合である。
しかも w0 だから、少なくとも1本の列は零でなく、
2本の列が張る集合は w が張る直線に一致する。
よって各列は w の実数倍である。

(2)

第2の方程式に解がないための必要十分条件は、
tw の実数倍でないことである。すなわちdet(s41s5s)=s2+9s40.したがってs9+652,s9652.逆にこの条件のもとで A の第1列を w、第2列を零列とすれば、
第1の方程式には解があり、第2の方程式には解がない。
よってこの条件は必要十分である。

総評

難度7、計算量5。想定時間は25分程度。階数という語を使わなくても、二列が平面全体を張るか直線だけを張るかで説明できる。(2)では必要条件だけで終わらず、実際に行列を1つ構成して十分性まで確認する。 2つの解法は標準的な答案手順と、別の構造から検算できる経路に分けた。必要性と十分性、場合分け、端点・等号条件を明示し、積分・総和・極限と主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。

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出典: 京都大学 2001年度 後期 数学 第5問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。