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京都大学 2001年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

次の極限値を求めよ。limn0nπexsinnxdx

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

積分関数 置換積分、和の計算極限計算

方針

sinnx の周期は π/n なので、[0,nπ]n2 個の小区間に分ける。各小区間で u=nxkπ と置くと、三角関数部分は毎回 sinu になり、指数関数の減衰は等比数列の和として外に出る。0πeu/nsinudu2n(1eπ/n)π を組み合わせて極限を求める。別解として、各周期内で ex を上下から定数で押さえる評価でも同じ極限に到達できる。

解答

求める積分を In とおく。sinnx の周期は π/n であり、区間 [0,nπ][kπn,(k+1)πn](k=0,1,,n21)に分けられる。

この小区間で u=nxkπ とおくと、0uπdx=du/n であり、また sinnx=sin(u+kπ)=sinu である。さらに x=u+kπn だから ex=e(u+kπ)/n=ekπ/neu/n である。

したがってIn=k=0n21kπ/n(k+1)π/nexsinnxdx=1nk=0n21ekπ/n0πeu/nsinuduとなる。すなわちIn=(0πeu/nsinudu)(1nk=0n21ekπ/n)である。

まず、0uπ では eu/n1 であり、しかも 0<eu/n1 だから0πeu/nsinudu0πsinudu=2である。より具体的には 01eu/nu/nπ/n より、差の積分は0に近づく。

次に等比数列の和はk=0n21ekπ/n=1enπ1eπ/nである。したがって1nk=0n21ekπ/n=1enπn(1eπ/n)となる。1enπ1 であり、n(1eπ/n)π だから1nk=0n21ekπ/n1πである。

以上より In21π=2π である。したがって求める極限値は 2π である。

別解

解法2(各周期で上下から評価する)

方針

sinnx の各半周期で ex を両端の値で挟む。
三角関数部分の積分は毎回 2/n であり、残りは等比数列になる。
上下の評価が同じ極限へ収束することを示す。

解答

積分を In とおく。各区間[kπn,(k+1)πn](k=0,1,,n21)では ex が単調減少するのでe(k+1)π/nexekπ/n.またkπ/n(k+1)π/nsinnxdx=1n0πsinudu=2n.したがって2nk=0n21e(k+1)π/nIn2nk=0n21ekπ/n.右端は2n1enπ1eπ/n2πである。左端は右端に eπ/n を掛けたものだから、
同じく 2/π に収束する。

はさみうちの原理よりlimnIn=2π.

総評

細かい周期分割と指数関数の減衰を組み合わせる積分極限。難度は標準上位、計算量は中程度で、目安時間は18〜24分。区間数が n2 個になるため、単に1周期の平均だけを見て終えると指数関数の総和を落としてしまう。主解では置換により「1周期の積分」と「等比数列の和」に分離するのが得点の中心である。別解のはさみうちは計算が短く、ex が各小区間でほぼ一定と見なせることを厳密に表している。どちらの方法でも、最後に n(1eπ/n)π を使う部分を明記したい。 2つの解法は標準的な答案手順と、別の構造から検算できる経路に分けた。必要性と十分性、場合分け、端点・等号条件を明示し、積分・総和・極限と主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。

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出典: 京都大学 2001年度 前期 数学 第6問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。