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京都大学 2002年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

f(x)=x4+ax3+bx2+cx+1 は整数を係数とする x の4次式とする.
4次方程式 f(x)=0 の重複も込めた4つの解のうち,2つは整数で残りの2つは虚数であるという.
このとき a,b,c の値を求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安14

方程式・不等式整数複素数平面 展開・因数分解、場合分け、判別式

方針

整数係数のモニック多項式で定数項が1なので、整数解は有理根定理により ±1 に限られる。重複込みで2つの整数解があるため、整数解の組は (1,1),(1,1),(1,1) の3通りだけである。それぞれについて残りの2次因子を整数係数のモニック2次式として書き、残り2解が虚数になる条件を判別式 <0 で調べる。

解答

f(x) は最高次係数1、定数項1の整数係数多項式である。したがって整数解 m があれば、m は定数項1の約数でなければならない。よって整数解は 1,1 に限られる。

重複も込めて2つの整数解をもつので、整数解の組は (1,1),(1,1),(1,1) の3通りである。

まず整数解が 11 の場合を考える。このとき f(x)=(x1)(x+1)(x2+ux1) と書ける。残りの2解は x2+ux1=0 の解であるが、この判別式は u2+4>0 なので2つの実数解をもつ。したがって残りの2つが虚数であるという条件を満たさない。

次に、整数解がともに 1 の場合を考える。このとき f(x)=(x1)2(x2+ux+1) と書ける。係数が整数であるため u は整数である。残りの2解が虚数であるためには、x2+ux+1=0 の判別式が負であればよい。すなわち u24<0 である。u は整数だから u=1,0,1 である。展開すると (x1)2(x2+ux+1)=x4+(u2)x3+(22u)x2+(u2)x+1 なので、(a,b,c)=(3,4,3),(2,2,2),(1,0,1) を得る。

最後に、整数解がともに 1 の場合を考える。このとき f(x)=(x+1)2(x2+ux+1) と書ける。同じく残りの2解が虚数である条件は u24<0 であり、u=1,0,1 である。また (x+1)2(x2+ux+1)=x4+(u+2)x3+(2+2u)x2+(u+2)x+1 だから、(a,b,c)=(1,0,1),(2,2,2),(3,4,3) を得る。

以上より求める値は (a,b,c)=(3,4,3),(2,2,2),(1,0,1),(1,0,1),(2,2,2),(3,4,3) である。

別解

解法2

方針

2つの整数根を r,s とする。定数項と最高次係数がともに1なので
r,s はそれぞれ ±1 である。残り2根は非実共役で積が正だから、
全4根の積が1であることと合わせて rs=1 が必要になる。
あとは残る2次因子の判別式だけを調べる。

解答

整数根を r,s とする。有理根定理よりr,s{1,1}.残りの2根を α,α とすると、αα=α2>0 である。一方、4根の積は定数項1に等しいのでrsα2=1.したがって rs>0、すなわち (r,s)=(1,1) または (1,1) である。

残りの因子は、定数項から x2+ux+1 と書ける。
f(x) の係数が整数であることから u も整数である。
その2根が非実である条件はu24<0,したがって u=1,0,1 である。

r=s=1 のときf(x)=(x1)2(x2+ux+1)を展開して(a,b,c)=(3,4,3),(2,2,2),(1,0,1).r=s=1 のときf(x)=(x+1)2(x2+ux+1)より(a,b,c)=(1,0,1),(2,2,2),(3,4,3).以上の6組がすべてである。

総評

難度は10段階中5、計算量は4。目安時間は14分。解法1は本番答案として再現しやすい標準方針、解法2は構造を別方向から確認する方針である。

整数根を ±1 に絞った後、非実共役根の積が正であるため混合組を除外できる。判別式の厳密不等号と整数 u の列挙が答案の核である。

採点では、必要条件だけで止めず十分性・端点・小問番号を明示する。積分・総和・極限は独立行、分数は読みやすい表示寸法に統一し、問題固有の図は論理を補助する位置に置いた。

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出典: 京都大学 2002年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。