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京都大学 2002年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

0<θ<90 とし,a は正の数とする.複素数平面上の点
z0,z1,z2, を次の条件 (i), (ii) を満たすように定める.

(i) z0=0, z1=a

(ii) n1 のとき,点 znzn1 を原点のまわりに
θ 回転すると点 zn+1zn に一致する.

このとき点 zn (n1) が点 z0 と一致するような n が存在するための
必要十分条件は,θ が有理数であることを示せ.

難易度6/ 10計算量4/ 10目安17

複素数平面数列 回転・拡大和の計算必要十分条件

方針

連続する点の差 znzn1 を見ると、各ステップで同じ角 θ だけ回転しているので、差は公比 ω=cosθ+isinθ の等比数列になる。したがって zn は等比数列の和で表され、zn=0ωn=1 と同値である。これは nθ360 の整数倍であること、すなわち度数法での θ が有理数であることと必要十分に対応する。

解答

ω=cosθ+isinθ とおく。0<θ<90 なので ω1 である。 dn=znzn1 とおくと、条件(i)より d1=z1z0=a である。また条件(ii)より、dn+1dn を原点のまわりに θ 回転したものだから dn+1=ωdn である。したがって dn=aωn1(n1) となる。

よって zn=z0+d1+d2++dn=a(1+ω+ω2++ωn1) である。ω1 だから zn=a1ωn1ω である。 a>0 であり、1ω0 なので、zn=z0=0 となることは 1ωn=0 すなわち ωn=1 と同値である。 ωn は偏角 nθ をもつので、ωn=1 となることは nθ=360m を満たす整数 m が存在することと同値である。

まず、ある n1zn=z0 となるとする。このとき上の議論より nθ=360m となる整数 m が存在する。したがって θ=360mn であり、θ は有理数である。

逆に θ が有理数であるとする。0<θ<90 だから、正の整数 u,v を用いて θ=uv と書ける。このとき n=360v とすれば nθ=360vuv=360u である。よって ωn=1 となり、上の式から zn=0=z0 である。

以上より、znz0 と一致するような n1 が存在するための必要十分条件は θ が有理数であること である。

別解

解法2

方針

各辺の長さは a、向きは等差的に増える。等比数列の和を
三角関数の形へ変形すると、原点へ戻る条件は
sin(nθ/2)=0 になる。これを度数法で読み替えて
nθ=360m とし、有理性との必要十分を両向きに示す。

解答

φ=θ をラジアンで表した角とする。第 k 番目の辺はzkzk1=aei(k1)φだからzn=a(1+eiφ++ei(n1)φ)=aei(n1)φ/2sin(nφ/2)sin(φ/2).0<θ<90 より分母は0でない。したがってzn=0sinnφ2=0nθ=360mとなる整数 m が存在する。

実際に原点へ戻る n があれば
θ=360m/n なので θ は有理数である。
逆に θ=u/v と有理数表示できるなら、n=360v と取れば
nθ=360u となり zn=0 である。
よって必要十分条件は θ が有理数であることである。

総評

難度は10段階中6、計算量は4。目安時間は17分。解法1は本番答案として再現しやすい標準方針、解法2は構造を別方向から確認する方針である。

回転を複素数の掛け算へ移し、閉じる条件を ωn=1 に一本化する。必要性と十分性を別々に書き、度数法の360を落とさない。

採点では、必要条件だけで止めず十分性・端点・小問番号を明示する。積分・総和・極限は独立行、分数は読みやすい表示寸法に統一し、問題固有の図は論理を補助する位置に置いた。

冊子PDFで見る京大の複素数平面の問題で問題集を作る

出典: 京都大学 2002年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。