方針
f(4nx(1−x)) が0でないのは、0≦4nx(1−x)≦1 の範囲だけである。4nx(1−x) は [0,1] の中央で大きく、端で0になるので、非零部分は x=0 と x=1 の近くの小区間に限られる。4nαn(1−αn)=1, 0<αn<21 と置き、対称性で積分を2倍する。最後は nαn=4(1−αn)1 と αn→0 から極限を計算する。
解答
f(u) は 0≦u≦1 では u、u>1 では0である。ここで u=4nx(1−x) とおくと、0≦x≦1 では u≧0 である。したがって f(4nx(1−x)) が0でないのは 4nx(1−x)≦1 を満たすところである。 0<αn<21 を 4nαn(1−αn)=1 を満たす数とする。このとき、4nx(1−x) は x=21 に関して対称であるから、非零となる区間は 0≦x≦αn,1−αn≦x≦1 である。したがって対称性より ∫01f(4nx(1−x))dx=2∫0αn4nx(1−x)dx である。
右辺を計算すると2∫0αn4nx(1−x)dx=8n∫0αn(x−x2)dx=8n(2αn2−3αn3)=4nαn2−38nαn3.よってn∫01f(4nx(1−x))dx=4n2αn2−38n2αn3=(nαn)2(4−38αn)である。
また 4nαn(1−αn)=1 より nαn=4(1−αn)1 である。0<αn<21 であり、式 4nαn(1−αn)=1 から αn→0 が分かる。したがって nαn→41 である。
以上よりn→+∞limn∫01f(4nx(1−x))dx=(41)2⋅4=41である。
別解
解法2(境界点を明示する)
方針
4nx(1−x)=1 の小さい解を根の公式で明示し、その漸近的な大きさを有理化から求める。
解答
方程式 4nx(1−x)=1 の小さい解を αn とするとαn=21−1−n1=2n(1+1−n1)1.したがってαn→0,nαn→41.関数が0でない区間は [0,αn] と [1−αn,1] であり、対称性からn∫01f(4nx(1−x))dx=8n2∫0αn(x−x2)dx=4(nαn)2−38(nαn)2αn.右辺で n→∞ とすれば4(41)2=41を得る。
総評
難度6、計算量5。目安時間は18〜24分。積分区間全体で関数を展開するのではなく、4nx(1−x)≦1 となる端の小区間だけが寄与することを見抜くのが中心である。αn を導入すると、左右対称性により積分は端の1区間の2倍にできる。αn はおよそ 4n1 の大きさであり、nαn→1/4 を式から直接出せば十分である。よくある誤りは、中央付近で f が0になることを忘れて 4nx(1−x) を全区間で積分してしまうことである。
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出典: 京都大学 2004年度 後期 理系 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。