方針
地球の半径を R とする。同一緯度の経路 R1 は半径 Rcos60∘ の円の 60∘ 分である。大円経路 R2 については、地球の中心から A,B へ向かう単位ベクトルの内積から中心角 θ の余弦を求める。三角関数表で θ<29∘ を示せば、距離比は 29/30<0.97 と評価できる。
解答
地球の半径を R とする。緯度 60∘ の緯線は半径Rcos60∘=2Rの円である。A,B の経度差は 60∘ だから、経路 R1 の長さを L1 とするとL1=2R⋅3π=6πRである。
次に、地球の中心を O とし、∠AOB=θ とする。緯度を φ、経度を λ とすると、地球の中心からその地点へ向かう単位ベクトルは(cosφcosλ, cosφsinλ, sinφ)と表せる。したがって2点の緯度がとも 60∘、経度差が 60∘ であることからcosθ=sin260∘+cos260∘cos60∘=43+41⋅21=87=0.8750である。
三角関数表によればcos29∘=0.8746<0.8750=cosθである。0∘ から 180∘ まで余弦は単調に減少するのでθ<29∘を得る。短い方の大円経路の長さは L2=Rθ であり、L1 は中心角 30∘ に相当する長さだからL1L2<3029=0.9666…<0.97.よってL2<0.97L1であり、R2 は R1 より3%以上短い。
緯線は半径 R/2 の小円、大円経路は球の中心を通る平面上にある。
総評
難度6、計算量4。想定時間は18分程度。緯線の半径が地球半径の半分になることと、2地点の中心角を三次元ベクトルの内積で求めることが要点である。中心角を小数で直接逆算せず、三角関数表の cos29∘ と比較すると、3%という境界を余裕をもって厳密に示せる。
冊子PDFで見る京大の三角関数の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 2008年度 前期 数学(理系乙)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。