Evolton

京都大学 2009年度 前期日程 第2次学力試験(数学理系甲)理系(甲)数学 第2問

平面上に三角形 OA1A2 と点 A3,A4,A5 を,
n=1,2,3 に対して OAnAn+1
OAn+1An+2 が辺 OAn+1 に関して対称になるようにとる.

OA2A5 の面積が OA1A2 の面積の正の整数倍となるとき,
A1OA2 の値を求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

三角関数図形と方程式 対称性の利用三角比の利用、場合分け

方針

折り返しによって,Oから各点への長さは交互に保たれ,角はθ=A1OA2ずつ進む。したがってOA5=OA1,かつOA2 から OA5 までの有向角は 3θ として面積比を表せる。面積比はsin3θ/sinθ=4cos2θ1となる。0<θ<πよりこの値は3未満なので,正の整数倍は1または2に限られる。それぞれの三角方程式を解き,範囲内の角を列挙する。

解答

θ=A1OA2 とおく。三角形なので 0<θ<π である。 OA1A2OA2A3が辺OA2に関して対称であるから,A1を辺OA2について折り返した点がA3である。したがって OA3=OA1,A2OA3=θ である。同様に次の折り返しで OA4=OA2,A3OA4=θ となり,さらに OA5=OA3=OA1,A4OA5=θ となる。よって、OA2 から OA5 までの有向角は 3θ であり、通常の角の取り方や向きによらず、面積には sin3θ が現れる。

したがって [OA1A2]=12OA1OA2sinθ であり,[OA2A5]=12OA2OA5sin3θ である。OA5=OA1より,面積比は[OA2A5][OA1A2]=sin3θsinθである。

三倍角の公式を用いると sin3θsinθ=34sin2θ=4cos2θ1 である。ここで0cos2θ1なので,4cos2θ1は0以上3以下である。ただし値が3になるのはcos2θ=1,すなわちθ=0,πの場合であり,三角形が退化するので除かれる。したがって正の整数倍となるには,値は1または2である。

まず 4cos2θ1=2 のとき,可能なのは 4cos2θ1=2 であり,cos2θ=34 である。よって θ=π6,5π6 である。

次に 4cos2θ1=1 のとき,4cos2θ1=1 または 4cos2θ1=1 である。したがって cos2θ=12 または cos2θ=0 であり,θ=π4,π2,3π4 である。

以上より求める値はπ6,π4,π2,3π4,5π6である。

対称移動の模式図

OA5=OA1 であり,OA2 から OA5 までの有向角は 3θ である。

総評

難度6、計算量5。目安時間は20分程度で,折り返しが作る角の進み方を正しく追うことが中心である。面積比は長さが消えてsin3θ/sinθになるため,あとは三倍角の公式と整数条件の処理である。正の整数倍という条件から値を1または2に絞る理由,値3が退化三角形に対応して除外される理由を明記すると答案の論理が締まる。

冊子PDFで見る京大の三角関数の問題で問題集を作る

出典: 京都大学 2009年度 前期 数学(理系(甲))(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。