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京都大学 2010年度 前期日程 第2次学力試験(文系)文系数学 第2問

座標平面上の点P(x,y)4x+y9x+2y42x3y6の範囲を動くとき,
2x+yx2+y2のそれぞれの最大値と最小値を求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安20

図形と方程式 図形的解釈座標設定、範囲評価

方針

まず3本の境界直線の交点を求め,領域が三角形であることを確認する。一次式 2x+y は三角形上で最大・最小を頂点でとるので,3頂点だけを調べる。x2+y2 は原点からの距離の2乗であり,最大は三角形の頂点で確認できる。一方,最小は原点から三角形への最短距離なので,各辺への垂線の足が辺上にあるかを確認し,最短となる辺を決める。

解答

境界直線を 4x+y=9,x+2y=4,2x3y=6 とする。これらの交点を求める。 4x+y=9x+2y=4 から (x,y)=(2,1) を得る。4x+y=92x3y=6 から (x,y)=(32,3) を得る。また,x+2y=42x3y=6 から (x,y)=(0,2) を得る。

与えられた不等式の向きを確認すると,領域はこの3点 A=(2,1),B=(32,3),C=(0,2) を頂点とする三角形である。

まず 2x+y を考える。一次式は三角形上で最大値・最小値を頂点でとるので,3頂点で調べればよい。A(2,1):2x+y=5,B(32,3):2x+y=6,C(0,2):2x+y=2.したがって min(2x+y)=2,max(2x+y)=6 である。

次に x2+y2 を考える。これは点 (x,y) と原点との距離の2乗である。

最大値については,三角形の内部や辺上で原点からの距離が頂点より大きくなることはない。実際,三角形内の点は3頂点の重み付き平均で表され,距離の2乗は凸な量なので最大は端の点,すなわち頂点で確認すればよい。各頂点でA(2,1):x2+y2=5,B(32,3):x2+y2=94+9=454,C(0,2):x2+y2=4であるから,最大値は 454 である。

最小値は,原点からこの三角形までの最短距離の2乗である。原点は領域に含まれないので,最短点は境界上にある。

AC は直線 x+2y=4 上にある。原点からこの直線に下ろした垂線の足は,直線の法線ベクトル (1,2) を用いて 412+22(1,2)=(45,85) である。この点は A=(2,1)C=(0,2) を結ぶ線分上にある。したがってこの辺までの距離の2乗は(45)2+(85)2=16+6425=165である。

念のため他の辺も確認する。辺 AB4x+y=9 上にある。原点からこの直線に下ろした垂線の足は線分 AB 上にないので,辺 AB 上で原点に最も近い点は端点である。したがってこの辺での最小候補は A:5,B:454 であり,いずれも 16/5 より大きい。

BC2x3y=6 上にある。原点からこの直線に下ろした垂線の足は (1213,1813) であり,これは線分 BC 上にない。したがって辺 BC でも最小候補は端点であり,B:454,C:4 である。これらも 16/5 より大きい。

よって min(x2+y2)=165,max(x2+y2)=454 である。

3本の直線で囲まれる領域

一次式の極値は頂点で、距離の最小値は辺 AC への垂線の足 H で生じる。

別解

方針

可動領域の3頂点を求め、一次式と距離の2乗の最大値は頂点で比較する。距離の2乗の最小値だけは、制約 x+2y4 とコーシー・シュワルツの不等式から直接下界を作り、等号点が領域内にあることを確認する。

解答

3本の境界直線の交点はA=(2,1),B=(32,3),C=(0,2)であり、可動領域は三角形 ABC である。

一次式 2x+y は頂点で最大・最小を取る。3頂点での値は順に5,6,2だからmin(2x+y)=2,max(2x+y)=6.次に、条件 x+2y4 とコーシー・シュワルツの不等式から5(x2+y2)=(12+22)(x2+y2)(x+2y)216を得る。よってx2+y2165.最初の不等式の等号条件は x:y=1:2、2つ目の等号条件は
x+2y=4 なので、等号点は(x,y)=(45,85).この点は残る2条件4x+y=2459,2x3y=1656も満たす。したがって最小値は 16/5 である。

x2+y2 は凸関数なので、三角形上の最大値は頂点で取る。頂点
A,B,C での値は5,454,4であるから最大値は 45/4 である。以上よりmin(x2+y2)=165,max(x2+y2)=454.

総評

目安時間は20分前後。前半は三角形の頂点を正しく出す線形計画,後半は距離の最大・最小問題である。2x+y は頂点だけでよいが,x2+y2 の最小まで頂点だけで判断してはいけない。原点から各辺への垂線の足が線分上にあるかを確認するのが採点上の要点で,特に x+2y=4 への足 (4/5,8/5) が辺上にあることを明記したい。

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出典: 京都大学 2010年度 前期 数学(文系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。